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Appleがストリーミングサービスユーザーに税金を課す「Netflix税」に関する訴訟を取り下げる


Appleとシカゴは、ストリーミングサービスユーザーに税金を課す、いわゆる「Netflix税」の導入で対立してきたのですが、ついに両者が和解することとなりました。

Apple, Chicago Settle Challenge to City’s Streaming Tax – The Hollywood Reporter
https://www.hollywoodreporter.com/business/business-news/apple-settles-suit-against-chicago-over-citys-tax-on-streaming-services-1235184402/

2015年、アメリカのイリノイ州クック郡にあるシカゴで、ストリーミングサービスを使用するユーザーに9%の追加料金を課す、いわゆる「Netflix税」が導入されました。これはシカゴにおける「レクリエーション活動やコンサートのチケットに対して市が課す税金」を、ストリーミングサービスをメインとしたデジタルサービスにまで拡張したものです。シカゴが導入したNetflix税は、NetflixだけでなくDisney+やSpotify、Amazonプライム・ビデオなど、あらゆるストリーミングサービスに課せられることとなります。


これに対して、Appleは2018年にアメリカの憲法における商取引および適正手続き条項ならびに電子商取引に差別的な税金を課すことを禁止する連邦インターネット税自由法に違反するとして、シカゴを相手に訴訟を提起しました。Appleはこの訴訟の中で、「顧客は違法な税金の対象となっています」「Appleが顧客から税金を徴収しない場合、シカゴが課す権限も執行する権限も持たない税金に対して、Appleが直接責任を負うこととなります」と不満を述べています。

Netflix税に不満を抱いているのはAppleだけでなく、Netflix・Hulu・Spotifyといったストリーミングサービスのユーザーも、シカゴを相手取り別個に訴訟を提起していました。シカゴは裁判所から「シカゴが課したNetflix税はインターネット税自由法に違反するものではない」という判決を引き出し勝訴。この間、Appleの訴訟は約2年間にわたり保留されたままとなっていました。


シカゴとストリーミングユーザーの訴訟の判決を受け、Appleは「特定のサービスに対してのみ税金が課されることは違法である」という風に、訴状を修正したものの、裁判を担当するクック郡巡回裁判所のダニエル・ダフィー裁判官はAppleの訴状を却下していました。

そして新たに、Appleは訴訟を却下された件について苦情を申し立てないことを選択したことが明らかになっています。Appleが訴訟を取り下げた理由は、「ストリーミングサービスに課される税金が法的根拠に基づくものである」という判決が下されることを避けるためではと推測されています。なお、Appleと同じようにソニーもシカゴをNetflix税の件で訴えていましたが、Apple同様に訴訟を取り下げています。

Bloombergの分析によると、シカゴは2021年にNetflix税としてユーザーから3000万ドル(約41億円)以上を徴収しているそうです。


シカゴのような地方自治体がストリーミングサービスに税金を課そうとする理由は、公共インフラストラクチャーであるインターネット回線のトラフィックのほとんどをNetflixのようなストリーミングサービスが占めるようになってしまったためです。このような事態に陥った際、インターネット回線の改善のためには新しいケーブルを敷設する必要がありますが、公共のインフラストラクチャーであるからといってその費用を負担させられるのはおかしいと、地方自治体側は主張しているわけ。このような主張はインターネットサービスプロバイダー(ISP)側からも上がっています。

「インターネットトラフィックの大部分を占めるNetflixはネットワーク使用料を支払うべき」とISPが主張 - GIGAZINE


ただし、これまで地方自治体とストリーミングサービスの間で巻き起こっていた法廷闘争では、ほとんどのケースでストリーミングサービス側が勝訴してきました。その理由は、「ストリーミングサービスが公共のワイヤー・ケーブル・設備を利用してサービスを提供しているわけではないため、追加の料金を課すことはできない」と裁判所側が判決を下してきたためです。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by logu_ii

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