ハードウェア

Googleが翻訳やナビゲーションを行う次世代ARグラスの実世界でのテストを開始すると発表


現実世界に仮想世界を重ね合わせる拡張現実(AR)が注目される中、さまざまな企業がメガネ型の「ARグラス(スマートグラス)」の開発に取り組んでいます。以前からARグラスの開発・販売を行ってきたGoogleが、新たなARグラスのプロトタイプの実世界テストを、2022年8月から開始する予定だと発表しました。

Building and testing helpful AR experiences
https://blog.google/products/google-ar-vr/building-and-testing-helpful-ar-experiences/

Limited AR Prototype Testing in Public - AR Help
https://support.google.com/ar/answer/12375092

Google really doesn’t want its Glass successor to piss you off | TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/07/19/google-really-doesnt-want-its-glass-successor-to-piss-you-off/

Googleはかつてメガネ型ARデバイスの「Google Glass」を開発していましたが、2020年に法人向け最新モデルの「Glass Enterprise Edition 2」が発表されて以降、Google Glassの続報はありませんでした。ところが、2022年5月に開催されたデベロッパー向けイベント「Google I/O 2022」で、Googleは「相手の話す言葉を字幕化&自動翻訳してくれるスマートグラス」を発表。再びARグラスの開発に着手していることが明らかとなりました。

Googleが「相手の話す言葉を字幕化&自動翻訳してくれるスマートグラス」の存在を明らかに - GIGAZINE


新たに7月19日のブログで、GoogleのARグループプロダクトマネージャーを務めるジャスティン・ペイン氏が、2022年8月から次世代ARグラスのテストを実世界で行う予定だと報告しました。「ARは私たちの周りの世界と対話する新しい方法を開いています。これは他の言語を理解したり、A地点からB地点に到達する最善の道順を知るなど、必要な情報に迅速かつ簡単にアクセスするのに役立ちます」「ただし、実験室環境のみでテストするには限界があります」と述べ、実験室内のテストだけではARグラスの開発に不十分だとペイン氏は主張。

ARグラスは屋外での使用が想定されており、天候の変化や混雑した交差点といった環境のデータを収集し、エクスペリエンスに反映する必要がありますが、これらの環境を屋内で完全に再現することは困難です。ペイン氏は、「2022年8月からは、ARグラスのプロトタイプを実世界でテストする予定です。これにより、これらのデバイスが日常生活の中でどのように人々を助けられるのかを、よりよく理解することができます」と述べています。


8月からは、数十人のGoogle社員と信頼できるテスターがARグラスのプロトタイプを着用し、公共の場で小規模なテストが行われるとのこと。ARグラスにはレンズ内ディスプレイ・マイク・カメラが含まれているものの、写真および動画撮影はサポートされておらず、画像データを使用した翻訳・ナビゲーション・ビジュアル検索などが行われるそうです。また、収集した画像データはエクスペリエンスが完了すると削除されますが、分析およびデバッグに使われる場合は保存されることがあります。この際は、映り込んだ顔や車のナンバープレートなどを見えなくした上で、少数のGoogle社員にアクセスが制限された安全なサーバーに保存され、30日が経過したら削除されるとのこと。

公共の場におけるテストはアメリカの一部の地域で行われますが、学校・政府施設・医療施設・礼拝所・社会福祉施設・子ども向けの場所・防災施設・集会や抗議が行われる場所などでのテストは禁止されています。また、車の運転中にARグラスを使用することも禁じられているとのこと。海外メディアのTechCrunchは、GoogleがARグラスを巡るプライバシー問題に巻き込まれるのを避けたがっていると指摘し、「外出先でGoogleの新しいARグラスのプロトタイプを見かけた場合、その製品に(表向きは)プライバシーを組み込んでいることをGoogleは知らせたがっています」と述べました。

記事作成時点ではARグラスはそれほど普及していませんが、Snapchatの開発元であるSnapやチップメーカーのQualcomm、Facebookを運営するMetaなど、さまざまなテクノロジー企業がARグラスの開発に取り組んでいます。

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in ハードウェア, Posted by log1h_ik

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