業界初24Gbpsのデータ転送速度を実現したGDDR6 DRAMをSamsungが発表、前モデルから30％以上高速に

Samsungが次世代ハイエンドグラフィックボードでの利用が想定される、業界初の24Gbpsのデータ転送速度を実現した「GDDR6 DRAM」を発表しました。

Samsung Electronics Launches Industry’s First 24Gbps GDDR6 DRAM To Power Next-Generation High-End Graphics Cards – Samsung Global Newsroom
https://news.samsung.com/global/samsung-electronics-launches-industrys-first-24gbps-gddr6-dram-to-power-next-generation-high-end-graphics-cards

Samsung has 24Gbps GDDR6 ready for higher-performance GPUs • The Register
https://www.theregister.com/2022/07/14/samsung_24gbps_gddr6/

Samsung debuts new high-speed memory chips for graphics cards - SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2022/07/14/samsung-debuts-new-high-speed-memory-chips-graphics-cards/

現地時間の2022年7月14日、Samsungは24Gbpsのデータ転送速度を特徴とする業界初の16ギガビット(Gb)グラフィックスダブルデータレート6(GDDR6) DRAMを発表しました。SamsungのGDDR6 DRAMはEUVテクノロジーを使用したSamsungの第3世代10nmプロセスで製造されており、「次世代グラフィックボードやゲームのグラフィックパフォーマンスを大幅に向上させることにつながる」とSamsungは説明しています。

Samsungのメモリ製品計画チームでエグゼクティブヴァイスプレジデントを務めるダニエル・リー氏は、「業界初の24Gbpsを達成したGDDR6の検証が完了したため、次世代GPUプラットフォームでグラフィックスDRAMを検証し、新しい需要ラッシュに間に合うよう市場へ投入していくことを計画しています」と語っています。

GDDR6 DRAMは革新的な回路設計を備え、電流漏れを最小限に抑えるための高度な絶縁材料であるHKMGを採用。これまで絶縁材料として使用されてきたのは酸化ケイ素ですが、HKMGはこれよりもはるかに効率的であるといわれています。これによりGDDR6 DRAMは前モデルよりも30％速いデータ転送を実現。プレミアムグラフィックボードに統合することで、GDDR6 DRAMはわずか1秒で最大1.1TBのデータ転送が可能となります。

SamsungのGDDR6 DRAMはJEDECのGDDR6 DRAM規格に完全に準拠するよう設計されており、すべてのGPU設計と互換性があり、あらゆるグラフィックスソリューションでの採用が期待できます。

さらに、GDDR6 DRAMは搭載PCのバッテリー寿命を延ばすための低電力オプションも有しており、パフォーマンス要件に応じて動作電圧を調整する動的電圧スイッチング(DVS)テクノロジーを利用することで、業界標準の「1.35V」よりも約20％低い「1.1V」での動作を実現した「20Gbps版」と「16Gbps版」も提供される予定です。

なお、海外メディアのThe Registerによると他チップメーカーが提供しているGDDR6メモリのデータ転送速度は14～16Gbps程度だそうです。