メモ

90%の精度で1週間後の犯罪発生確率を予測するというモデルが登場


暴力犯と財産犯に関する公的に入手可能なデータから時間と場所のパターンを学習し、1週間後の犯罪発生確率を90%の精度で予測するというモデルを、シカゴ大学の研究者らが開発しました。

Event-level prediction of urban crime reveals a signature of enforcement bias in US cities | Nature Human Behaviour
https://www.nature.com/articles/s41562-022-01372-0


AI Algorithm Predicts Future Crimes One Week in Advance With 90% Accuracy
https://scitechdaily.com/ai-algorithm-predicts-future-crimes-one-week-in-advance-with-90-accuracy/

モデルを開発したシカゴ大学のVictor Rotaru氏らは、殺人、傷害、暴行からなる暴力犯と、強盗、窃盗、自動車盗からなる財産犯の公的記録を参照し、それぞれの犯罪で通報あるいは逮捕された人数を都市の犯罪統計や人口構成、貧困、隣人への不満度の高さ、気象データなどで学習したモデルで分析することで、1週間後の犯罪発生確率を90%以上の精度で予測できると主張しています。

従来のモデルでは、都市を各警察署の管轄や交通網などで分割し、1箇所で犯罪が起きるとその影響が波のように周囲に均一に広がるという予測が打ち立てられていました。しかしRotaru氏らのモデルでは、都市を約1000フィート(約300m)四方のタイルに分割してそれぞれのタイルごとに確率を予測しており、こうすることでバイアスの影響を受けにくくし、精度を高めることに成功しています。Rotaru氏らは、犯罪は均一に広がるのではなく、不均一に発生するものだと予測しました。


このモデルはアメリカのシカゴ、アトランタ、オースティン、デトロイトなど8都市で機能したと、Rotaru氏らは主張しています。またRotaru氏らは、裕福な地域の犯罪では逮捕者が多く、貧困地域の犯罪では逮捕者が減少していることが分かったことも明らかにしており、警察は貧困地域へあまりリソースを割いておらず、対応と執行に偏りがある可能性を主張しました。

筆頭著者のIshanu Chattopadhyay氏は「このモデルの精度が高いからといって、警察が出動するための指標などとして使うべきではなく、犯罪に対処するための都市政策や、警察戦略のツールとして用いるべきです」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
事件を起こしそうな人物・組織をSNSの投稿・言動・日時・場所などのビッグデータから予測可能なソフトウェアを警察がテスト中 - GIGAZINE

犯罪の発生を事前に予測してパトロールする「予測的取り締まり」を警察が使い始めているとの指摘 - GIGAZINE

中国政府は膨大な監視データを使って国民がトラブルメーカーになるかを「予測」している - GIGAZINE

「警察によるAI使用禁止」を欧州議会が決議、顔認証技術や行動監視が対象 - GIGAZINE

in Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article here.