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大手仮想通貨取引所のCoinbaseが従業員の18%に当たる約1100人を解雇、「急速に成長しすぎた」とCEOが認める


アメリカ最大手の仮想通貨取引所であるCoinbaseが、2022年6月14日に全従業員の18%に当たる約1100人を解雇すると発表しました。この決定についてCoinbaseのブライアン・アームストロングCEOは、「私たちは急速に成長しすぎた」と述べて従業員に謝罪しています。

Coinbase CEO @brian_armstrong announced today the difficult decision to reduce the size of the Coinbase team by 18%. More details and rationale in Brian’s email to employees, which has been made public for all to see ➡️ https://t.co/SpdZU3KdpS

— Coinbase (@coinbase)


A message from Coinbase CEO and Cofounder, Brian Armstrong | by Coinbase | Jun, 2022 | The Coinbase Blog
https://blog.coinbase.com/a-message-from-coinbase-ceo-and-cofounder-brian-armstrong-578d76eedb12

Coinbase lays off 18 percent of staff as CEO says, “We grew too quickly” | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2022/06/coinbase-lays-off-18-percent-of-staff-as-ceo-says-we-grew-too-quickly/

2022年の仮想通貨市場は大荒れとなっており、ビットコインを含む主要な仮想通貨が暴落しています。これにより複数の仮想通貨取引所がリストラを決行したほか、Coinbaseは6月3日に新入社員の内定取り消しを発表しています。そんな中、CoinbaseのアームストロングCEOは6月14日に全従業員へメッセージを送り、「今日、私はこの景気後退期に会社を健全に保つため、チームの規模を約18%縮小するという難しい決断を下しました」と報告しました。

Coinbaseがアメリカ証券取引委員会に提出した文書によると、Coinbaseは全世界で約6100人に及ぶ従業員のうち18%に相当する約1100人を解雇し、残る5000人は引き続き雇用していくとのこと。また、解雇する従業員への補償やその後のサポートなどに必要な総コストは4000万~4500万ドル(約54億~61億円)に上る見込みです。

アームストロングCEOはこの1カ月間にわたり幹部や取締役会と議論する中で、経済状況の急速な変化において厳しいコスト管理が必要なことが明らかとなり、従業員をリストラする決定に至ったと説明しています。


Coinbaseは2021年初頭の時点で1250人の従業員を抱えていましたが、仮想通貨の成長に伴って新規従業員の採用を爆発的に増やし、従業員数は過去18カ月間で4倍以上増の6000人以上になりました。アームストロングCEOは「私たちは急速に成長しすぎました」「私たちはベストを尽くしましたが、今回のケースでは採用しすぎたことが明らかになりました」と述べ、新入社員の増加によって効率が低下したと主張。そこに直撃した不景気を乗り切るには、従業員のリストラを決行して高すぎる従業員コストを抑える必要があると訴えました。

アームストロングCEOは、「これらの結果は、過去2年間にチームを大幅に拡大するという私の決定に帰着するため、この説明責任は完全に私にあります」「これから会社を去る皆さんには、この会社にすべてをささげてくれたことへの感謝と、謝罪を申し上げたいと思います。私たちが再び成長するにつれて、またあなた方を雇用する機会が得られることを願っています」と述べています。


なお、解雇される従業員はただちにCoinbaseシステムへのアクセスが遮断され、以後のやり取りは個人の電子メールで行われるとのこと。アームストロングCEOはこの決定について心苦しいとしながらも、大勢の従業員が機密性の高い個人情報にアクセスできる状況を考えると、軽率な行動を取る従業員を1人も出さないためにはこうするのが唯一の選択肢だったと説明しています。

解雇される従業員には少なくとも14週間分の給与が解雇手当として支払われ、アメリカの従業員には4カ月分の健康保険が提供されるほか、全世界の従業員に4カ月にわたるメンタルヘルスサポートが提供されるとのこと。また、Coinbaseは元従業員の転職活動に協力すると述べています。

Coinbaseがリストラを発表する前日の6月13日には、DeFi貸付プラットフォーム「Celsius」の取引一時停止などが絡み、ビットコインの価格が2万3000ドル(約290万円)を下回って過去18カ月間で最安値を記録しました。

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イギリスのジャーナリスト・作家であるEd Zitron氏は仮想通貨の暴落や引き出し停止、仮想通貨企業のリストラといった一連の問題について、自身のブログで論考を発表しています。

The Stock Market At The End Of The World
https://ez.substack.com/p/the-stock-market-at-the-end-of-the?s=r

Zitron氏は、「私たちが見ているのは、行動、結果、無知、傲慢の連鎖です」「他のスタートアップと同様に、仮想通貨業界も新たな資金流入と興奮のラッシュに対応するために大量採用を行いましたが、仮想通貨が最も得意とする『クラッシュ』に備えるための戦略を明らかにしませんでした」と指摘。多くの仮想通貨企業が大量の人員を雇用し、多額の資金を投入して広告を打った数カ月後に大量解雇を発表しており、仮想通貨企業は搾取的で無謀な戦略を取っていたと非難しています。

また、仮想通貨企業は一般の人々にリスクとリターンを誤認させて仮想通貨への投資を呼びかけただけでなく、有能なテクノロジー人材に「仮想通貨こそがインターネットの未来だ」と言ってだまし、腐敗した搾取的システムに参加させながら、不景気になったら簡単に切り捨てていることも問題だとZitron氏は主張しました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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