ハードウェア

10年以上前の規格である「USB2.0」のポートが多くのUSBハブに搭載され続けている理由とは?

by Khairil Yusof

USB3.0が発表されてから10年以上が経過し、2019年には最大転送速度40GbpsのUSB4が発表されました。しかし、2022年になってもUSB2.0ポートを搭載したUSBハブが数多く登場し続けています。「なぜ古い規格のポートが2022年になっても多くのUSBハブに搭載されているのか」という疑問について、ソフトウェアエンジニアのDan氏が解説しています。

Why do USB-C hubs still have USB 2.0 ports? – Dan S. Charlton
https://dancharblog.wordpress.com/2021/08/19/why-do-usb-c-hubs-still-have-usb-2-0-ports/

USB規格では同じポート形状ならば古い規格の端末も接続することができるため、USBハブには最新の規格に対応したポートのみを用意すればいいように思えますが、企業から発売されるUSBハブには、2022年になってもUSB2.0のポートが搭載されることが多くあります。例えば、2021年にAmazon.co.jpに登場した以下のUSBハブには、USB3.0ポートが1個とUSB2.0ポートが1個搭載されています。

Amazon.co.jp: USB C ハブ アダプタ 5-in-1 GADEBAO マルチポート usb ハブ type-c【4K HDMI出力+USB3.0/2.0ポート+SD&TFカード スロット搭載】thunderbolt3対応 type c ハブ MacBook Pro/Air、ipad Pro、Chrome Book、Dell、Huawei Matebook、Surface GoなどUSB C デバイス対応 タイプc ハブ : パソコン・周辺機器


USB2.0はデータ転送速度が遅いため外付けストレージの接続には向きませんが、キーボードやマウスといった大容量のデータ転送を伴わない機器ならばUSB2.0と接続しても問題なく使用可能です。このため、「データ転送速度が求められない製品の場合、実装コストの低さからUSB2.0が採用される」といった説明が成り立ちます。

さらに、Dan氏はUSB3.0以降の規格やUSB Type-Cの仕様も、最新のUSBハブにUSB 2.0ポートが搭載される理由であると述べています。以下の画像は、左側がUSB3.0の端子のピン配置を示し、右側はUSB Type-Cのピン配置を示しています。USB3.0以降の規格ではUSB2.0までの規格と異なる技術でデータ転送が行われますが、後方互換性を維持するためにUSB3.0やUSB Type-Cの端子にもUSB2.0までの規格で用いられていた通信技術用のピン(D+やD-)が搭載されています。


Dan氏によると、USB3.0以降の技術で通信が行われている間もD+やD-での通信は可能とのこと。つまり、USBハブにSDカードなどを接続して高速なデータ転送を行っている間も、余ったピンを利用してマウスやキーボードと接続することが可能なわけです。このため、多くのUSBハブにUSB2.0ポートが搭載されているとDan氏は指摘しています。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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