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ArmのIPを横取りした「Arm China」の元CEOが解任を要求されるもSNSを用いて反抗中


ソフトバンクの子会社である世界的な半導体企業「Arm」は世界中に拠点を構えていますが、中国国内でのライセンス権を持っていた合弁会社「Arm China」が一方的に独立を宣言し、知的財産権(IP)を横取りして販売を続けているという状況が2021年に報じられました。新たに、Arm Chinaの独立を主導したアレン・ウー氏がArm Chinaの取締役会によって追放されたにも関わらず、Arm Chinaの公式SNSアカウントを用いてCEOとしての権利を主張し続けていることが報じられています。

Arm China says its ousted CEO Wu is refusing to pack up | Reuters
https://www.reuters.com/technology/arm-china-says-its-ousted-ceo-wu-is-refusing-pack-up-2022-05-05/

Armの親会社であるソフトバンクは、2018年6月にArm Chinaの持ち株の過半数を売却し、Arm Chinaを合弁会社化したことを発表しました。合弁会社化に伴い、Arm Chinaは中国国内でのArmのIPのライセンスを独占管理することとなりましたが、Arm ChineのCEOを務めていたアレン・ウー氏が「自分の会社に投資すればライセンス料を割り引く」という契約を顧客に持ちかけていることが判明。この汚職を問題視したArm Chinaの取締役会は2020年に賛成7:反対1でウーCEOの解任を可決しました。


ウー氏は取締役会によってCEOを解任されたものの、Arm Chinaの社印はウー氏が所持したままでした。中国では社印に法的な効力があるため、ウー氏の解任手続きは進められず、ウー氏がCEOとして居座り続ける事態が発生。さらに、ウー氏はArm本社側についた上級幹部を追放し、Arm ChinaのCEOとして中国国内でのArmのライセンス製品販売を続けていました。

Armの中国合弁企業がArmからの独立を宣言、一部ライセンスや中国市場の顧客をそのまま横取り - GIGAZINE


ウー氏のCEO解任から約2年が経過した2022年4月29日に、ArmはLiu Renchen氏とEric Chen氏をArm Chinaの共同CEOに任命したことを発表しました。しかし、ウー氏はこの決定に反発し、中国の大手SNS「WeChat」に開設されたArm Chinaアカウントやその他のSNSを通じて「430人以上の従業員がウーCEO存続に賛同している」という声明を拡散しました。

その後、2022年5月5日には中国の大手SNS「Weibo」のArm China公式アカウントが「Liu Renchen氏とEric Chen氏を共同CEOに任命しました」「今後はWeiboをArm Chinaの唯一の公式SNSとします。WeChatなどの別サービスに投稿される意見はArm Chinaの公式見解ではありません」「Arm Chinaは虚偽の意見に対する法的措置を講じる可能性があります」とする声明を投稿し、ウー氏が拡散する情報がArm Chinaの公式見解ではないことをアピールしました。

さらに、2022年5月6日にはArm Chinaの公式サイトに「Liu Renchen氏とEric Chen氏が事業運営を引き継いだ」とする公式声明が掲載され、Liu Renchen氏とEric Chen氏を共同CEOとする公式見解が強調されています。


ソフトバンクは2020年頃からArmをNVIDIAに売却することを検討していましたが、2022年にはArmの売却を断念して新規株式公開(IPO)にむけた取り組みを始めています。しかし、ウー氏がCEO解任に反対し続けている現状はArmのIPOプロセスの妨げになると指摘されています。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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