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筋トレ後に筋肉痛がこなくても心配ない理由とは?


筋トレにつきものなのが「筋肉痛」ですが、筋トレを続けるうちに筋肉痛が出た日は「昨日の筋トレは頑張れてたんだな」と努力を保証されたような感情が湧き、筋肉痛が出ない日は「昨日は追い込みが足りなかったか……?」と不安な感情にとらわれることがあります。こうした気持ちに対して、「別に筋肉痛が出なくても大丈夫」と、応用スポーツ科学者として20年以上もアスリートレベルのスポーツに携わってきたデビット・クラーク氏と筋トレによる骨格筋と腱の生理学的変化を専門とするロブ・アースキン准教授が解説しています。

Here's why you don't need to feel sore after a workout to know it's worked
https://theconversation.com/heres-why-you-dont-need-to-feel-sore-after-a-workout-to-know-its-worked-179995

筋肉痛はトレーニング後に筋肉に生じる痛みと筋硬直を指し、学術的には「遅発性筋肉痛(Delayed onset muscle soreness:DOMS)」と呼ばれます。遅発性筋肉痛は激しい運動や慣れない運動を行ったときに発生するもので、特に重力に逆らって体や重りを「下ろす」という「エキセントリックトレーニング」と呼ばれるタイプの筋トレは人間にとって不慣れな動作を中心とするため、遅発性筋肉痛が発生しやすいとされています。


遅発性筋肉痛は早ければ運動後数時間で生じ始め、運動から丸2日が経過したあたりでピークに達することがわかっていますが、「なぜ遅発性筋肉痛が生じるのか?」についてはいまだによく分かっていないとのこと。クラーク氏らによると、現代の学術界において遅発性筋肉痛と関連するとされている現象は以下の4種です。

1:筋繊維のたんぱく質構造に生じる物理的損傷
2:筋膜の損傷
3:筋線維を包んでいる結合組織の損傷
4:肉体の炎症反応が生み出す筋タンパク質の分解。それに伴う特定神経に対する刺激

以上のように、遅発性筋肉痛は筋肉の各組織がダメージを受けた結果生じるものだと確認されています。この筋肉に対するダメージは最大で2週間ほど持続しますが、一度遅発性筋肉痛が生じた場合は同じ運動を行った際の遅発性筋肉痛の発生確率は低下します

そのほか、高齢者は遅発性筋肉痛が生じやすいことや、筋肉痛が治りやすくなる遺伝子の存在などが分かっていますが、基本的には「筋肉痛を予防するのは困難」とのこと。「結局筋肉痛は受け入れるしかなく、筋トレを頑張った証拠という扱いで良いのでは」と考えてしまいそうな結論ですが、クラーク氏らは「筋肉痛は筋トレの効果を保証してくれるわけではありません」と指摘します。

クラーク氏らによると、筋肉痛はあくまで「肉体が慣れていないタイプ・強度の運動」を行った際に生じるものです。従って、同じタイプ・強度の運動を続けていて筋肉痛がこなくなってしまったとしても、これはあくまで筋肉の損傷に対する耐久力と回復力が向上した結果であって、「この運動を続けていても筋肉はもはや鍛えられない」というわけではないそうです。


「筋肉痛が出るまで筋トレする」というスタイルを続けてきた人に対して、クラーク氏らは「プログレッシブオーバーロード(漸進性過負荷)」という原則に従うようにアドバイスしています。プログレッシブオーバーロードはプログレッシブ(少しずつ進歩する)とオーバーロード(過負荷をかける)という2つの言葉を組み合わせた原則で、筋トレのレップ数・負荷・頻度・インターバルなどを徐々にキツくしていくという手法を指します。

プログレッシブオーバーロードは筋トレの効果を高めるだけでなく遅発性筋肉痛の発生率を下げてくれる上に、数週間続けるだけで効果が十分に得られるという研究結果も報告されているとのことで、クラーク氏らは「毎週少しずつレップ数を増やしたり、負荷を増やしたりしてみると、これまでの筋トレがどれくらい効果的だったかを推し量りやすくなります」とコメントしています。

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in サイエンス, Posted by log1k_iy

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