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ウクライナ政府が中国・DJI製ドローンの使用中止を勧告、空いた席をアメリカのメーカーが狙う


ウクライナ当局が、世界最大の商用ドローンメーカーで中国企業であるDJI製ドローンの技術的な不具合はウクライナの防衛を妨害するためにDJIが意図的に設けた可能性があると主張し、同社製品の使用を制限するよう求めました。そしてDJIの代わりとして、アメリカのメーカーであるBRINC DroneSkydioがドローンを提供しています。

Ukraine Sounds Alarm on Chinese Drones, Opening Skies to U.S. Startups - WSJ
https://www.wsj.com/articles/ukraine-sounds-alarm-on-chinese-drones-opening-skies-to-u-s-startups-11650619800

BRINC Supplies Ukraine Drones Capable of Breaking Through Glass | iPhone in Canada Blog
https://www.iphoneincanada.ca/news/brinc-drones-can-break-through-glass/

BRINC Droneは2022年3月以来、ウクライナに10機のドローンを寄付しており、さらに国防支援の名目で約50機のドローンを販売しました。BRINC Droneのブレイク・レスニックCEOによると、ウクライナは被災者の捜索救助と情報収集の目的でドローンを使用しているとのこと。なお、レスニックCEOは2017年までDJIに勤めていたそうで、「DJIのドローンは、間違いなく世界で最も先進的なドローンです。DJIには驚かされます」とコメントしています。


Skydioもウクライナ国防省に数十機のドローンを納品し、さらにウクライナ政府やウクライナを支援する非政府組織に数百機を販売したと、Skydioのアダム・ブライCEOは述べています。Skydioの広報担当者によれば、ウクライナ陸軍の空中偵察と軍用ドローン運用を専門とする特殊部隊・エアロロズヴィドカはDJI製ドローンの代わりにSkydioのドローンを使用しているとのこと。

Spring with Skydio. ???? ???? pic.twitter.com/i1eJomY5yj

— Skydio (@SkydioHQ)


ウクライナのドローン業者であるタラス・トロイアック氏は、キーウとリヴィウでDJIのドローンを販売していたそうですが、記事作成時点ではDJIとの取引を停止したと語っています。


ウクライナ政府当局者やトロイアック氏は、DJIのドローン検出システムであるAeroscopeに不具合があり、戦場で使えないことがあったと報告しています。関係者の一部は「DJIがロシアのドローンを検出できないようにシステムを改ざんした」と主張しています。ウクライナの特別通信情報保護局は、「DJIのAeroscopeはロシア軍による攻撃を支援している」と述べ、DJI製のドローンをウクライナのWi-Fiネットワークやモバイルネットワークに接続しないように呼びかけているとのこと。さらにウクライナ政府は国内でのDJI製品の使用を中止することを推奨しています。

これに対してDJIの広報担当者であるアダム・リスバーグ氏は、「Aeroscopeに不具合があることはロシアによるウクライナ侵攻が勃発する前から判明しており、記事作成時点でも修正に取り組んでいるところです。DJIがロシア軍の攻撃を支援したりAeroscopeを改ざんしたりすることはあり得ません」と否定しています。

We have been working this morning to update our Aeroscope systems for rapid deployment across the UK with the Gatwick Airport incident still ongoing.#airports #aerocope #aerospace #gatwick #drone #dronedetection #dji

Call us now on 0191 296 1024 or email [email protected]. pic.twitter.com/Z7jSRVAIdM

— HELIGUY.com™ (@heliguydotcom)


BRINC DroneやSkydioが拠点を構えるアメリカでは、公安機関で使われているドローンの90%がDJI製だそうです。そのため、アメリカ国内では、軍事転用も可能なドローンの市場や技術を中国企業が支配していることについて、国家安全保障上の懸念があるという声があがっています。

アメリカ財務省は、2021年12月にDJIを「中国軍産複合体企業」のブラックリストに登録しています。また、アメリカの経済紙であるウォール・ストリート・ジャーナルは、国防総省がDJI製ドローンをアメリカの通信インフラに組み込むことを禁止する法案を用意していると報じています。共和党員で連邦通信委員会(FCC)のメンバーであるブレンダン・カー氏は「ウクライナにおけるDJIドローンに関する報告は、中国のドローンメーカーがもたらす潜在的に深刻な国家安全保障上の脅威に対し、アメリカが一貫した対応を示す必要性を強調しました」とコメントしました。

これに対してリスバーグ氏は「慎重に検討されていない法律が、アメリカの公安機関や政府機関が当社の製品を使用することを妨げることが本当のリスクです。DJI製品で収集されたデータが中国に送信された事例はこれまで報告されておらず、国家安全保障上の懸念はありません」と述べています。

なお、BRINC DroneやSkydioなどのアメリカ国内のドローンメーカーはドローンの生産能力がDJIよりも低く、さらに半導体不足などによる物流悪化も影響し、DJIよりもドローンが高価である上に、納品にもかなりの時間がかかるそうです。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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