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Appleのサプライヤーの半数が上海周辺に存在、iPhone生産が中国のロックダウンで危機的状況に陥る可能性


Apple製品を支えるサプライヤー上位200社のうち、半数が中国の上海とその周辺に施設を保有していると報じられています。新型コロナウイルスの完全な封じ込めを目指す中国共産党の「ゼロコロナ政策」により、上海では厳しいロックダウンが行われているため、Appleのサプライチェーンがそのあおりを大きく受ける可能性が浮上しました。

Half of Apple suppliers operating in China's lockdown-hit areas - Nikkei Asia
https://asia.nikkei.com/Spotlight/Supply-Chain/Half-of-Apple-suppliers-operating-in-China-s-lockdown-hit-areas

Half of Apple's suppliers at risk in China due to quixotic 'zero-COVID' lockdown quest
https://macdailynews.com/2022/04/20/half-of-apples-suppliers-at-risk-in-china-due-to-quixotic-zero-covid-lockdown-quest/

Top 200 Apple suppliers: Half within lockdown-hit areas of China- 9to5Mac
https://9to5mac.com/2022/04/20/half-of-top-200-apple-suppliers-at-risk/

Appleが公開しているサプライヤーのリストを元にNikkei Asiaが分析した結果、Appleのサプライヤー上位200社のうち少なくとも100社は、中国でロックダウンの危険性がある地域に立地していることが分かりました。具体的には、新型コロナウイルス感染症再流行の震源地である上海にはAppleのサプライヤー30社以上が施設を保有しており、上海のすぐ北に位置する江蘇省にも70社以上が工場を構えているとのこと。

以下は、今回問題となってる主なAppleのサプライヤーの立地を地図で示したもの。上海と目と鼻の先にある江蘇省の蘇州市に施設を保有するサプライヤーには、Panasonicやジャパンディスプレイの名前もあります。


このほか、ロックダウンに巻き込まれるリスクにさらされているAppleのサプライヤーは、iPhoneの大手組立メーカーであるPegatronやiPadメーカーであるCompal Electronicsをはじめ、ディスプレイ、プリント基板、バッテリー、冷却関連の部品、音響パーツのメーカーなど多岐にわたっています。

また、これらのサプライヤーの大半は、AppleだけでなくGoogle、Microsoft、Intel、Huawei、Xiaomi、Oppoなど他の大手IT企業にも部品を供給している企業とのこと。

ディスプレイを手がけるAU Optronicのポール・ペン会長はメディアの取材に対し、「最悪の場合、ロックダウンがサプライチェーンの切断につながる可能性があります」と指摘。Huaweiの消費者向け技術責任者であるRichard Yu氏は「もし上海での生産が5月までに再開されなければ、この地域にサプライチェーンを持つ全てのハイテク企業や産業界のプレーヤーは完全に身動きがとれなくなるでしょう」とコメントしました。


こうした懸念をよそに、中国は新型コロナウイルス感染症を完全に押さえ込む「ゼロコロナ政策」達成のために厳しいロックダウンを強行する姿勢を崩していないため、一度ロックダウンが開始されれば再開には数カ月間かかるだろうと見られています。

スマートフォン市場を中心とした市場調査会社・Counterpoint Researchのアナリストであるイワン・ラム氏は、「高齢者のワクチン接種率がかなり低いため、中国は当面の間ゼロコロナ政策を続けるでしょう。需要面に目を向けると、2022年初頭に深センが封鎖されて以来、中国の個人消費は大幅に減速しています。そのため、今年のスマートフォン市場の景況はこれまでの予想より数パーセントポイント下がると見込んでいます」と述べて、中国で新型コロナウイルス感染症が流行している影響は供給だけでなく需要にも影響を及ぼすとの見方を示しました。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by log1l_ks

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