ネットサービス

「帯域幅を過度に消費する特定ユーザー」に対するポリシーをVimeoが改定


クリエイター向け動画共有サイトのVimeoが「クリエイターに対して『帯域制限に達したから3500ドル(約42万円)追加で支払うか解約するかを選んでください』という通知を行っている」という報道について、通信量上限に達しそうな場合は事前に通知するなど帯域量ポリシーをわかりやすくする措置を発表しました。

Improving Vimeo’s policy on video bandwidth
https://vimeo.com/blog/post/improving-policy-on-video-bandwidth/

2022年3月15日、IT系ニュースサイトのThe Vergeがオランダのデジタルアーティストの「Vimeoから追加料金を請求された体験談」に関する記事を公開しました。このデジタルアーティストは年間200ドル(約2万4000円)をすでに支払っていましたが、「転送量が全ユーザーのうち上位1%に達した」という理由で年額3500ドルを追加で支払うか1週間以内に解約するかを選ぶよう求められたとのこと。

Vimeo is telling creators to suddenly pay thousands of dollars — or leave the platform - The Verge
https://www.theverge.com/2022/3/15/22979126/vimeo-patreon-creators-price-increase

このデジタルアーティストがVimeoに投稿したムービーは全部で117本で、平均再生回数は約150回。最多の再生回数は815回だったため、年額3500ドルという価格だけではなく、このような通知が送られてきたこと自体にも当惑した…… という論旨の記事でした。


そしてThe Vergeが問題の記事を公開した3日後にあたる3月18日、Vimeoのアンジャリ・スッドCEOが直々に「Vimeoの動画帯域に関するポリシーの改善について」という記事を公式ブログ上で公開しました。

スッドCEOによると、Vimeoの「広告なし」というビジネスモデルを実現するためにはユーザーからサブスクリプション料金という形で運営費用を回収しなければなりません。ここで問題になってくるのが、「帯域幅を過度に消費する特定ユーザー」への対応です。Vimeoにおいてユーザーの99%は基本となるサブスクリプション料金でまかなえる程度の帯域幅しか消費していませんが、上位1%のユーザーが消費する帯域幅に対して追加料金を課さなかった場合は、どうしてもしわ寄せが出てしまうとのこと。


スッドCEOが発表したのは、「帯域幅を過度に消費する特定ユーザーに対する処置をわかりやすくする」という趣旨の改定です。実際の改定項目が以下。

・追加料金を請求するしきい値を「全ユーザーの上位1%に到達」から「2TB以上消費時」に変更
・利用状況を定期的に通知するメールの送付や分析ダッシュボードにアラートを表示するなどユーザー側に帯域制限を意識させるUIの実装
・しきい値を超えた際の「追加料金を支払うか解約するか」を選択するための猶予期間を1カ月に延長
・Vimeoがニーズに合っていないと判断されたユーザーに対する料金の払い戻し
・他の場所で収益化を行わない限りは帯域幅の制限を課さないという免責ポリシーの施行

スッドCEOは「Vimeoの方針の1つは『ユーザーファースト』です。私たちはユーザーコミュニティが指摘する問題点を自分たちの問題だと捉えることでサービスの継続的な改善を目指してきました。この改善は17年という社史において実践できてきたと考えていますが、今回ポリシーのうちの1つがある種のユーザーグループの利益を最大化できないということが判明しました。私たちは大量の帯域幅を消費するユーザーに対し、コミュニケーション不足かつ不要な摩擦や不安を生むようなポリシーを適用し続けてきました。私たちのフィードバックが遅く、信頼を損ねてしまったことについてお詫び申し上げます」とコメントしています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
動画配信プラットフォームVimeoの人気を受けて持株会社が予想を上回る収益、独立・上場へ弾み - GIGAZINE

YouTubeを相手に急成長を遂げる「Vimeo」のCEOが自社戦略について語る - GIGAZINE

映画「プラトーン」のオリバー・ストーン監督が描くウクライナのドキュメンタリー映画をYouTubeが一時削除、プロデューサーがVimeoで無料DL可能にするもVimeoでも削除 - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.