Apple製モニター「Studio Display」は64GBのNANDストレージを搭載しているがそのうち2GBしか使用していない

Appleは2022年3月9日に開催した新製品発表イベントの中で、A13 Bionicチップを搭載して5K Retinaディスプレイを採用したモニター「Studio Display」を発表しました。新たに、Studio Displayには64GBのNANDストレージが搭載されているものの、そのうち実際に使用されているのはわずか2GBだということが判明しています。

Apple Studio Display Contains 64GB of Storage, But Only 2GB Used - MacRumors
https://www.macrumors.com/2022/03/21/studio-display-contains-64gb-storage/

Appleが新たに発売したStudio Displayは5K Retinaディスプレイを採用し、画面の有効領域は27インチ、解像度は1470万ピクセルの大画面モニターです。また、iPhone 11/Pro/Pro Maxや第9世代iPadと同じA13 Bionicチップを搭載しており、12メガピクセルの超広角カメラも備えていることがわかっています。

M1 Ultra搭載で最大93万9800円のプロ向け「Mac Studio」とA13 Bionic＆5K Retinaディスプレイ搭載の「Studio Display」が登場 - GIGAZINE

Studio Displayは、ビデオ通話などで常に被写体を中央に捉えるセンターフレームに対応しているほか高品質のマイクも搭載していることから、ビデオ通話需要に完全対応したモニターとして期待されていましたが、発売後に「内蔵カメラの画質がひどい」として話題となってしまいました。内蔵カメラ画質の苦情に対し、Appleはソフトウェアアップデートで改善する予定だと述べています。

また、Studio DisplayではiOS 15.4のフルバージョンが動作していることも報じられました。

アップル新型ディスプレイ「Studio Display」、iOS 15.4フルバージョンが動いていたと明らかに - Engadget 日本版
https://japanese.engadget.com/apple-studio-display-ios-full-version-022026860.html

そんな中、ソフトウェア開発者のKhaos Tian氏は「Studio Displayには64GBものNANDストレージが搭載されている」と指摘しました。Tian氏がTwitterに投稿したスクリーンショットを見ると、Studio Displayには64GBものストレージが搭載されているものの、62GBは使用されていないことが確認できます。

テクノロジー系メディアのMacRumorsは、ファームウェアアップデートにはいくらかの未使用領域が必要になる可能性があるとしつつも、「62GBの未使用領域は現時点では役に立たないようです」と述べています。

モニターに64GBものストレージが搭載されているのは奇妙に思えるかもしれませんが、Studio DisplayにはA13 Bionicチップが搭載されていることを考慮すると、驚くべきことではないかもしれないとMacRumorsは指摘。A13 Bionicチップが搭載されているiPhone 11シリーズや第9世代iPadには、少なくとも64GB以上のストレージ構成しか存在しておらず、A13 Bionicチップのストレージ制御システムは64GB未満のストレージと互換性がない可能性があるとのこと。

MacRumorsは、「A13 Bionicチップを少量のストレージ構成と組み合わせる際の生産コストは、販売中のiPhone 11や第9世代iPadに採用されている同様の64GBシステムより高くなる可能性があります」と述べ、使い道がないとしてもStudio Displayに64GBのストレージを搭載した方が、結果的に生産コストが抑えられるのではないかと示唆しました。