NFTマーケット「OpenSea」の盗難事件後の取引量が37％減少との報道

非代替性トークン(NFT)マーケットプレイスの「OpenSea」での取引量が、被害総額約2億円以上のNFT盗難事件を契機に急激に減少していると報じられています。

OpenSea NFT Heist Triggers Sharp Decline in Platform Activity - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-02-22/opensea-nft-heist-triggers-sharp-decline-in-platform-activity

Recent OpenSea NFT Heist Reduces the Platform’s Trading Activity by 37% – crypto.news
https://crypto.news/opensea-nft-platform-trading-activity-37/

How OpenSea Users Lost $1.7 Million in NFTs to Phishers
https://tech.co/news/opensea-1-7-million-nfts-phishers

OpenSeaでは2月19日に、合計170万ドル(約2億円)相当のNFT254個がフィッシング詐欺により盗まれる事件が発生しました。盗難事件の詳細は、以下の記事を読むとよく分かります。

総額2億円のNFT254個がNFTマーケット大手「OpenSea」から盗まれる - GIGAZINE

170万ドルという被害額はハッカーが売却した金額で、まだ売却されていないNFTもあることから、被害総額は200万ドル(約2億3000万円)から300万ドル(約3億4000万円)にのぼるとの見方もあります。盗み出されたNFTの中には、サルのプロフィール用画像として有名なBored Ape Yacht Club(BAYC)の作品も4点含まれており、そのうち3点はOpenSeaのライバルプラットフォームであるLooksRareで合計66万7000ドル(約7600万円)で売却されたことが分かっています。

NFTの取引情報サイト・DappRadarの調べによると、OpenSeaにおける直近7日間の取引量は2月22日の時点で37％減少し、ユーザー数も19％減っているとのこと。また、LooksRareの取引量も65％近く急落している一方で、LooksRareと同じくOpenSeaのライバルプラットフォームであるBloctoBayの取引量は215％以上増加しているとのことです。

OpenSeaは、メディア向けの声明の中で「DappRadarのデータと報道で取り上げられているグラフには違いがあります。技術的な裏付けや他のプラットフォームとの比較もなく、見出しに結論を載せるのは大変無責任です。より正確で完全なデータについては、Dune Analyticsを参照してください」と述べて、報道を否定しました。

また、OpenSeaの最高技術責任者であるNadav Hollander氏は、「シードフレーズを公開しないことや、未知のトランザクションを送信しないといった教訓が浸透しつつありますが、オフチェーンメッセージへの署名にも同等の慎重さが必要です」と述べて、ユーザーに対してフィッシング詐欺などへの注意を改めて喚起しました。