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売れる広告の作り方を「広告の父」オグルヴィが解説


88か国の126のオフィスで広告業を展開するオグルヴィを1948年に創設したデイヴィッド・オグルヴィは、広告の作成に14億8000万ドル(当時のレートで約4500億円)以上、結果の追跡に490万ドル(当時のレートで約15億円)以上費やした自分の経験を元に「売る」広告の作り方をまとめ、1972年に自社広告として出稿しました。作成から半世紀たった現在でもかなり参考になる内容となっています。

How to Create Advertising that Sells
http://lannigan.org/how_to_create_advertising_that_sells_david_ogilvy.htm


「売る」広告の作り方は箇条書き形式となっており、大事なポイントが38個にまとめられています。


1:最も大切な決断
広告の効果を一番左右するのは「製品をどのようにポジショニングするか」という決断とのこと。無糖の炭酸水をソフトドリンクとしてポジショニングするのか、それともお酒の割り材としてポジショニングするのかという例が挙げられています。オグルヴィは広告の中身よりも製品のポジショニングの方がキャンペーンの成否に直結すると述べています。

2:大きな約束
2番目に重要なのは「顧客に何を約束するのか」です。そしてその約束は主張やテーマやスローガンではなく、顧客にとっての利益ではなくてはならないとのこと。もちろん、製品はその約束した利益を提供するものである必要があります。

3:ブランドイメージ
全ての広告は、一貫したブランドイメージの一部である必要があります。

4:大きなアイデア
消費者を無関心な状態から広告に気付き、記憶し、行動する状態に持っていくために、広告は大きなアイデアに基づいて作成される必要があります。大きなアイデアを生み出すのは簡単ではありませんが、一度生み出された大きなアイデアはシンプルなものが多いとのこと。オグルヴィは自社の「ハサウェイシャツ広告の眼帯」を例に挙げています。


5:ファーストクラス
ほとんどの製品においては、「ファーストクラス」のような品質のイメージを提供することは有益です。広告が醜い場合、消費者に製品が粗末だという印象を与えてしまうとのこと。

6:退屈は敵
「退屈したので製品を買う」という人はいません。顧客を巻き込むことは骨折りがいのあるものです。

7:革新する
流行に乗っかったり、模倣したりする広告はめったに成功しません。トレンドは追従するものではなく開始するものです。ただし、革新するには消費者との事前のテストが大切です。

8:賞を疑う
広告賞と製品の売り上げに相関関係を見つけることはできなかったとオグルヴィは述べています。成功した広告というのは、広告自体に注意が向くのではなく製品に注目させるものであるとのこと。

9:心理的セグメンテーション
性別や年齢、職業、住所などで市場を分類するのではなく、どんな考えを持った人なのかという心理的な分類を元にターゲットを定めることはしばしば報われます。

10:「新しい」を活用する
製品が一番消費者の気を引くのは新登場したタイミングです。

11:とことんやる
多くの広告キャンペーンは複雑すぎます。多くの幹部の様々な意見をまとめた長いリストを反映するのではなく、一つの単純な約束にまとめてその約束の実現に全力を尽くすべきです。

◆テレビ広告で機能するもの


12:お客様の声
無関係な有名人は、製品よりも有名人のほうに注意が向けられるので避けるべきです。信頼感のある推薦であればどんな人を起用しても効果的とのこと。

13:問題解決パターン
消費者が認識する問題を設定し、その問題を製品がどのように解決できるかを示し、実際に証明するという手法は販売実績において常に平均を上回っているとのこと。ただし、消費者もバカではありません。不正行為はNGです。

14:視覚的なデモ
約束を視覚化することは効果的です。

15:ありふれた日常
日常を描いた短い劇に仕上げるのも効果的とのこと。

16:雄弁は銀
何を言うかよりも何を見せるかが大切です。多くのコマーシャルが視聴者を言葉の海におぼれさせています。

17:ナレーションより役者の声
役者の声入りのCMの方が、ナレーション付きCMよりも明確に良いとのこと。

18:BGM
平均すると、BGMはコマーシャルを思い出す回数を減らします。ビジネスプレゼンテーションの場でBGMを使う人はいません。

19:プレゼン形式
プレゼンテーション形式のCMは、率直に正直に伝える場合は効果的です。

20:心にとっかかりを残す
平均的な消費者は毎年2万件のCMを見ています。そうした消費者の記憶から滑り落ちないために、シンボルのような唯一性のあるとっかかりを消費者の心に残すべきです。

21:アニメ・マンガ調
消費者はキャラクターと自分を同一視しづらいので通常のCMのほうが効果的ですが、子供向けCMを600本作成したパートナーは「子供と話すときには効果的」と述べています。

22:救出
テストを十分に行い、明らかになった問題点を修正することで死んだCMを再生可能です。再編集によって効果が2倍になったCMもあるとのこと。

23:事実か感情か
事実を重視したほうが感情的なCMよりも効果的な傾向があるとのこと。

24:フック
エキサイティングなオープニングのあるCMは、静かに始まるCMよりも視聴者を引き付けます。

◆印刷広告で効果的なもの


25:見出し
平均的には、本文を読む人の5倍の人が見出しを読みます。見出しで製品を売り込まないと広告費の80%を無駄にしています。

26:見出しにメリットを盛り込む
利益を約束する見出しにすることで効果が高まるとのこと。

27:見出しにニュースを盛り込む
見出しに本当のニュースを入れることは効果的です。消費者は常に新たな製品、古い製品の新たな改良、古い製品の新たな使い方を求めています。

28:見出しはシンプルに
見出しは伝えたいことを簡単な言葉で述べるべきです。読者はあいまいな言葉を解読するために立ち止まることはありません。

29:見出しの長さ
10単語以上使用した長い見出しの方が短い見出しよりも効果的とのこと。

30:見出しをローカライズする
地域性のあるローカルな広告では、見出しに都市名を含めると効果的です。

31:見込み客を選択する
特定の層だけが消費する製品の場合、見出しにその層にアピールする言葉を入れるのが効果的とのこと。例として「母」「おねしょ」「ヨーロッパへ行く」という単語が挙げられています。

32:長い文章でも読まれる
読者の数は最初の50単語までに急速に減少しますが、50単語から500単語まではほとんど減少しません。

33:写真でアピール
ストーリーを示唆する写真を挿入することで、読者は写真をちらっと見て「何が起きているのだろう」と自問し、答えを得るためにコピーを読みます。

34:ビフォーアフター
ビフォーアフター形式の広告は平均するとより多くの注意を引いています。

35:写真かイラストか
ほとんどの場合、写真はイラストよりも効果的とのこと。

36:キャプションを利用する
写真の下についているキャプションは本文の2倍読まれています。したがって、写真を利用する場合は必ず下にキャプションを挿入し、そのキャプションはブランド名と約束を入れたミニ広告であるべきです。

37:記事風のレイアウト
広告っぽいレイアウトよりも記事っぽく寄せたレイアウトの方が効果的とのこと。

38:繰り返し
広告を繰り返すことで、5回目までは読者の数が増加する場合があります。

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in メモ, Posted by log1d_ts

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