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ついに登場したDDR5メモリはメーカーごとに仕様が異なる、一体何が違うのか?


メモリの標準規格「DDR5」は、2020年7月に最終仕様が確定し、2021年末頃から各メーカーがDDR5メモリの出荷を始めています。このDDRメモリにはメーカーごとに製造方法や仕様の違いがあるとして、テクノロジー関連メディアのEETimesがその違いを解説しています。

EETimes - Comparing DDR5 Memory From Micron, Samsung, SK Hynix
https://www.eetimes.com/comparing-ddr5-memory-from-micron-samsung-sk-hynix/

DDR5はDDR4の後継として策定された規格で、ダイ面積当たりの最大記憶密度がDDR4の16Gbitsから64Gbitsへと増加し、入出力ピン当たりのデータ転送速度はDDR4の最大3.2Gbpsから6.4Gbpsへと高速化しています。Intelは2021年10月に発表した第12世代CoreプロセッサでDDR5に対応しており、AMDも2022年登場予定のZen 4プロセッサでDDR5に対応することを表明しています。

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DDR5の仕様確定後、2020年10月にはSK hynixは世界初のDDR5メモリの出荷準備完了を発表し、2021年3月にはSamsungが512GBのDDR5メモリの開発を発表。その後も各メーカーからDDR5メモリが続々と登場し、記事作成時点では市場での流通が始まっています。しかし、一口にDDR5メモリと言ってもメーカーごとに製造方法の違いが存在し、仕様にも差異があります。そこで、EETimesはMicron・Samsung・SK hynixという主要3社が開発したDDR5メモリの仕様を比較して、その違いを解説しています。

EETimesが比較に使ったメモリは、Micron製のメモリモジュールを採用した「TeamGroup ELITE DDR5 16 GB UDIMM」とSamsungのメモリモジュールを採用した「G.SKILL Trident Z5 DDR5 memory (F5–5600U3636C16GX2–TZ5K)」とSK hynixのメモリモジュールを採用した「SK Hynix 32 GB HMCG88MEBUA81N DDR5 UDIMM PC5–4800B」です。それぞれの仕様をまとめた表は以下の通り。MicronはSamsungやSK hynixと比べて微細化されたプロセスノードを採用しているため、ダイサイズが最も小さく、記録密度が最も大きくなっています。

メモリモジュールのメーカーMicronSamsungSK hynix
品名TeamGroup ELITE DDR5 16 GB UDIMMG.SKILL Trident Z5 DDR5 memory
(F5–5600U3636C16GX2–TZ5K)
SK Hynix 32 GB HMCG88MEBUA81N
DDR5 UDIMM PC5–4800B
規格DDR5-4800DDR5-5600DDR5-4800
帯域幅38.4GB/s44.8GB/s38.4GB/s
プロセスノード1zD1y1y
ダイサイズ66.26mm273.58mm275.21mm2
セルサイズ0.0020μm20.0023μm20.0022μm2
記録密度0.241Gb/mm20.217Gb/mm20.213Gb/mm2


DDR4-3200とDDR5-4800のプロセスノードをまとめたグラフが以下。DDR4-3200のメモリはMicron(青)とSK hynix(グレー)がSamsung(オレンジ)よりも微細化されたプロセスノードを採用していましたが、DDR5-4800ではSK hynixがSamsungと同等のプロセスノードに移行しており、Micronだけが微細化されたプロセスノードを採用し続けていることが分かります。


DDR5メモリは市場に登場したばかりであり、各メーカーはDDR5メモリの高密度化・エネルギー効率の向上・信頼性の向上を目指して技術開発を進めている段階です。このため、将来的に既存のDDR5メモリよりも高容量で低消費電力なメモリが登場することが期待されています。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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