メモ

まもなく月に衝突するロケットはSpaceX製ではなく「中国製」だと訂正される

by NASA Goddard Space Flight Center

2022年1月に伝えられた「SpaceXのロケットが制御不能となり月に衝突するとの予測」という情報について、この報道のもととなった研究を著した人物が「誤りがあった」と新たに発表しました。この人物によると、実際に月の衝突するロケットはSpaceX製ではなく「中国製」とのことです。

Astronomers now say the rocket about to strike the Moon is not a Falcon 9 | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2022/02/actually-a-falcon-9-rocket-is-not-going-to-hit-the-moon/

2022年1月、地球近傍を通過する天体の追跡用ソフトウェア「Project Pluto」の開発者であるビル・グレイ氏が「SpaceX製ロケットであるFalcon 9のブースターが2022年3月4日に月の裏側に衝突する」という研究結果を発表しました。グレイ氏によると、このブースターは2022年1月5日12時時点で月から約9600kmの地点をフライバイで通過したことが確認されており、ブースターの形状によって誤差が生じるものの、かなり高い精度で月面に衝突するという計算結果が得られているとのことでした。

この発表はイギリス大手紙のThe Guardianや欧州宇宙機関(ESA)などが報じたほか、GIGAZINEも1月27日に記事を掲載しました。

SpaceXのロケットが制御不能となり月に衝突するとの予測 - GIGAZINE

by Michael Seeley

しかし、2022年2月12日、グレイ氏が「ブースターが月の裏側に衝突するという計算結果は間違っていないが、そのブースターはSpaceXのFalcon 9のものではなく、中国の月面探査衛星『嫦娥5号T1』のものである」と前述の発表を訂正しました。

Corrected identification of object about to hit the moon
https://www.projectpluto.com/temp/correct.htm


グレイ氏が考えを改めたのは、NASA傘下の研究機関であるジェット推進力研究所(JPL)に所属するジョン・ジョルジーニ氏から届いた質問がきっかけ。ジョルジーニ氏からの質問は、「JPLの天体データ追跡システムである『Horizons System』によると、Falcon 9によって打ち上げられた探査機は特に月の近傍を通ったわけではないようです。探査機が月の近傍を通っていないのに、それを打ち上げたロケットのブースターが月の近傍を通過していたら不自然ですよね。こうした数値には誤差が常に生じるものですが、それでも今回の誤差は無視できないほど大きいように思えます」というものでした。

この質問を機にグレイ氏が再調査を行った結果、2022年3月4日に月面に衝突するとみられているオブジェクトはジョルジーニ氏の指摘の通りFalcon 9のブースターだと考えるにはズレが大きいとのこと。このことから候補を洗い直したところ、2014年10月23日に打ち上げられた嫦娥5号T1のブースターが2015年2月のFalcon 9の打ち上げ日直後に月の近傍で再観測された結果、誤解が生じたとグレイ氏は結論づけました。


グレイ氏の計算によると、2015年2月に観測されたデータから逆算すると、問題のオブジェクトは2014年10月28日に月の近傍をフライバイで通過したと考えられます。23日に打ち上げられた嫦娥5号T1のブースターが28日に月の近傍をフライバイで通過するというのはグレイ氏によると「妥当」とのことで、発射場の位置や発射角度なども含めて考えるとあらゆる要素が問題のオブジェクトが嫦娥5号T1のブースターであると指し示しているそうです。

グレイ氏の予測はあくまで状況証拠であり、具体的に2022年3月4日に月に衝突するオブジェクトと嫦娥5号T1を結びつける物証は存在しません。しかし、グレイ氏はその点を認めた上で「これらの証拠はかなりの説得力を有しています」と述べており、2022年3月4日に問題のオブジェクトが月に衝突するということ、そしてこのオブジェクトの正体は嫦娥5号T1のブースターであるということの2点について「確信している」とコメントしました。

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in メモ, Posted by log1k_iy

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