サイエンス

季節ごとの炭素排出量の違いが一目で分かるアニメーションが公開される


近年は地球温暖化が喫緊の問題として注目を集めていますが、その原因となる二酸化炭素は世界中の植物の呼吸や光合成の影響を大きく受けています。しかし、植物には「夏季は光合成が活発化して二酸化炭素の吸収が優勢になるが、冬季は呼吸・分解活動が活発化して二酸化炭素の排出が優勢になる」という傾向があり、季節に応じて二酸化炭素を吸収したり排出したりを繰り返しています。ドイツのマックス・プランク研究所で生物地球化学的統合部門の責任者を務めているというマーカス・ライヒシュタイン氏が公開したムービーは、植物が吸収/排出する二酸化炭素量の変化を直感的に理解できるアニメーションムービーです。

Earth inhales and exhales carbon in mesmerizing animation | Live Science
https://www.livescience.com/carbon-sinks-globe-animation

実際にライヒシュタイン氏が公開したムービーが以下。


このムービーは立体的に表現された地球上に、色や厚さで「植物が吸収/排出する二酸化炭素」を示したもの。地形が赤色&盛り上がっていれば二酸化炭素を放出しており、青色&へこんでいれば二酸化炭素を吸収していることを示しています。開始時点の1月では、夏季を迎えている南半球では二酸化炭素を吸収していますが、冬季を迎えている北半球では二酸化炭素を排出している様子。


ムービーを進めると、季節が巡ると同時に地球自体も回転します。7月にはアフリカ大陸北部以外の地域で二酸化炭素が吸収されている状態となっており、特に樹木が多い北欧はかなり吸収率が高い様子。


アマゾンの熱帯雨林を擁する南米も夏季には高い二酸化炭素吸収率を発揮しています。なお、海は二酸化炭素を吸収していますが、季節ごとの変化は生じないため、今回のムービーでは変化をもたせない形で描写されています。


日本は3月頃に排出から吸収に転じ……


10月頃に吸収から排出に転じるようです。


ライヒシュタイン氏によると、このアニメーションを作成するのに使ったデータは世界中に存在する炭素監視ステーションから得られたものとのこと。気候変動は植生の成長パターンを変化させつつあることが確認されており、今回のムービーで視覚化されているような「炭素の流れ」にも徐々に変化が生じています。こうした変化についてライヒシュタイン氏は「場所によって異なる影響が生じるでしょう」と述べており、北半球においては夏が長期化して基本的には植生に良い影響が出る一方、アメリカ西部などの夏季に水不足が発生する地域についてはむしろ逆効果となる、といったことが考えられるそうです。

ライヒシュタイン氏は「今回のアニメーションが示す二酸化炭素吸収/排出量の季節ごとの変化は森林が地球の健康にとって致命的なまでに重要だと教えてくれます」とコメントしています。

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in サイエンス,   動画, Posted by darkhorse_log

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