世界中の人が菜食主義になると農地面積はむしろ小さくて済む


近年は自身の主義主張から動物性食品を避けた食生活を続けるベジタリアンやヴィーガンなどの人々が増加しています。仮に全人類がベジタリアンやヴィーガンの食生活を行った場合には農地面積はむしろ縮小するという研究結果について、ヴィーガン関連のニュースサイト・vegconomistが論じています。

A Vegan World Would Require 75% Less Farmland Than Present - vegconomist: the vegan business magazine
https://vegconomist.com/environment/a-vegan-world-would-require-75-less-farmland-than-present/

動物性食品を避けた食生活を避けるのであれば、代替となる植物性食品のために農地面積を広げる必要があるのでは、と考えてしまうかもしれませんが、実際にはむしろ面積を縮小することができます。国連食糧農業機関によると地球上で居住可能な土地の半分は農業に使用されているのですが、2018年に行われたデータ分析ではそのうちの約76%が動物の飼料を育てるための牧草地などに使われていることが明らかになっています。このため、動物性食品に関連する農業がすべてストップした場合、農地面積を現在の4分の1に縮小できるとvegconomistは指摘します。


食品によっては人間の食用よりも飼料に充てられる割合の方が高いことがあり、例えば大豆はその収穫量の約77%が飼料用であるという調査結果も発表されているほど。

また、vegconomistは「高所得国で食事が動物ベースから植物ベースへ移行した場合、農業による温室効果ガス排出量が年間61%削減できる」とする研究も紹介。「世界人口のわずか17%に相当する54の高所得国が植物ベースの食事に移行し、農業用地が自然の状態に戻った場合、世界中の温室効果ガス排出量14年分に相当する二酸化炭素が削減できる」という点から、「食糧や気候や公衆衛生政策を結び付けることが、政府に税収をもたらしたうえで環境も改善できる『二重の配当』の利益を可視化するために重要であることを、この研究が明らかにしました」と述べました


vegconomistは「非効率的な食料システムは、必然的に森林破壊や居住地の喪失といった環境災害につながります。植物ベースの食事への移行は、増加する世界人口をサポートするだけでなく、広大な土地を解放し、生物多様性を高め、二酸化炭素排出量の削減につながります。近い将来、完全菜食主義の世界が見られる可能性は低いと考えられますが、動物性食品の削減が地球の未来を一変する可能性はあります」と述べました。

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in , Posted by log1p_kr

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