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ロシアによるウクライナ侵攻で想定されるルートは?


ロシアが隣国ウクライナとの国境に軍隊を集結させる一方、北大西洋条約機構(NATO)も有事には即時対応可能なように部隊を準備するなど、ウクライナを巡り緊張が高まっています。ロシアは侵攻の意図はないと否定しているものの、戦略国際問題研究所(CSIS)の分析により、ロシアが侵攻する可能性のあるルートが3つ浮かび上がっています。

Russia’s Possible Invasion of Ukraine | Center for Strategic and International Studies
https://www.csis.org/analysis/russias-possible-invasion-ukraine

CSISによると、考えられる侵攻ルートは大きく分けて「北ルート」(図中緑矢印)、「中央ルート」(図中青矢印)、「南ルート」(図中紫矢印)の3つ。それぞれのルートの中でも、複数の経路が想定されています。


「北ルート」は、ただちにウクライナの首都・キエフの制圧を目指すもの。最短ルートはロシア・ウクライナ・ベラルーシ3国の国境が近いノヴィ・ユルコビッチからチェルニーヒウを経由して南西に向かうもので、移動距離はおよそ250km。


また、工業都市として知られるクルスクの西部にあるTroebortnoeというところから西へ向かうルートも想定されています。移動距離はおよそ400km。


もしベラルーシがロシア軍の国内通過を何らかの形で認めた場合は、ベラルーシ南部の都市・マズィルからコロステンを経るルートも考えられます。移動距離は300kmほどで、もしこのルートが使えるなら、ロシア軍はウクライナ軍の裏をかくことができる公算が大きくなります。


「中央ルート」はウクライナの国土を西進するもの。1つ目は、ベルゴロドからハリコフポルタヴァを経てドニエプル川沿いのクレメンチュクに至るルート。移動距離はおよそ330km。


ウクライナ国内にあってロシアへの編入を求めているドネツク人民共和国の首都・ドネツクから国際空港のあるドニプロおよびその南にあるザポリージャを目指すルートも想定されます。移動距離はおよそ260km。


さらに、ロストフ・ナ・ドヌからアゾフ海沿いにメリトポリを目指すルートもあります。移動距離はおよそ370km。


「南ルート」は、2014年にロシアがウクライナから編入したと主張しているクリミア半島を利用するもの。ペレコープ地峡を越えてウクライナに侵入し、ヘルソンを目指します。ヘルソンはクリミア半島への淡水の供給源だとのこと。


ペレコープ地峡からメリトポリへ向かうと、ロストフ・ナ・ドヌからやってくる部隊と合流することもできます。アゾフ海沿岸にはマリウポリベルジャーンシクといった都市があるので、この都市群を狙う攻撃と組み合わせたものになる見込みです。ただし、アゾフ海沿岸部は侵攻方向に走る鉄道が存在しないため、補給線の維持が難しくなるとも分析されています。

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in メモ, Posted by logc_nt

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