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YouTubeがオリジナル番組制作部門「YouTube Originals」をほぼ閉鎖へ


2022年1月18日、YouTubeの最高ビジネス責任者を務めるロバート・キンセル氏が、YouTubeのオリジナル番組制作部門「YouTube Originals」をほぼ閉鎖すると発表しました。YouTube Originalsは2016年にスタートし、「ベスト・キッド」の公式続編である「コブラ会」や、ジャスティン・ビーバーのドキュメンタリーシリーズ「ジャスティン・ビーバー: シーズンズ」などの番組を制作しています。

An update on YouTube Originals: pic.twitter.com/PixhgZ2yhU

— Robert Kyncl (@rkyncl)


YouTube Shuts Down Original Content Group - Variety
https://variety.com/2022/digital/news/youtube-original-content-group-shutdown-1235156299/

Google kills YouTube Originals, its original video content group | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2022/01/google-kills-youtube-originals-its-original-video-content-group/

YouTube Originalsは当初、サブスクリプションサービスのYouTube Premium(旧名称は「YouTube Red」)で独占配信するオリジナル番組を制作するために設立されました。有名クリエイターを集めて制作されたオリジナル番組のうち、「コブラ会」をはじめとするいくつかの番組はヒットしたものの、やがてYouTubeは当初の方針を転換し、2019年9月からはYouTube Originalsの番組が広告付きで無料視聴可能になりました。

また、シーズン2までYouTube Originalsが制作した「コブラ会」のシーズン3以降はNetflixで配信されているほか、ダンス映画「ステップ・アップ」のドラマシリーズである「Step Up」はシーズン3以降がTV局のStarzで放送され、当初YouTube Originalsで制作予定だったコメディドラマの「ビカミング・ア・ゴッド」はTV局のShowtimeで放送されるなど、いくつかの番組はYouTube Originalsを離れています。

そして2022年1月18日、キンセル氏はTwitterでYouTube Originalsをほぼ廃止すると発表しました。キンセル氏は声明の中で、「2016年、私たちはYouTube Originalsを立ちあげました」「YouTube Originalsのグローバルヘッドを務めるスザンヌ・ダニエルズ氏と彼女のチームは、数々の国際的な賞を受賞した番組を制作しました。その視聴回数は数十億回に及んでおり、素晴らしいクリエイターや社会問題に光を当てて、新たな視聴者にYouTubeを紹介しました。つまり、YouTube Originalsはクリエイターエコノミーの発展に不可欠な役割を果たしたのです」と述べ、これまでの取り組みを称賛しています。

一方、今日のYouTubeクリエイターパートナープログラムには200万人以上のクリエイターが登録しており、過去3年間でクリエイター・アーティスト・メディアに30億ドル(約3400億円)以上を支払ってきたとキンセル氏は主張。コミュニティの急速な拡大に伴う投資の再検討などの要因から、YouTube Originalsを縮小する決定を下したとのこと。なお、今後も黒人クリエイターを支援する「Black Voices」や子ども向けコンテンツ「YouTube Kids」の一部番組のみは資金提供を続けるそうです。すでに制作中の番組に関わっているクリエイターに対しては、今後数日以内に説明を行うとキンセル氏は述べています。


また、今回の発表に先立って、ダニエルズ氏がYouTube Originalsのグローバルヘッドを2022年3月に退任することも明らかになっています。

Susanne Daniels Exits YouTube After Six Years – Deadline
https://deadline.com/2022/01/susanne-daniels-exits-youtube-global-head-of-original-content-1234914190/

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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