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Amazonが「手数料が高すぎるためイギリスで発行されたVisaクレジットカードの取り扱いを停止する」との決定を撤回

by Marco Verch Professional Photographer

2021年11月、Amazonが「イギリスで発行されたVisaクレジットカードの取り扱いを2022年1月19日から停止する」と発表しましたが、この決定が直前になって撤回されたことが判明しました。Amazonは顧客に送信した電子メールの中で、引き続きVisaクレジットカードが使えるようにするため、潜在的な解決策に取り組んでいると述べています。

Amazon’s Visa Credit Card U.K. Ban Revoked, Buyers Can Keep Using Payment Method - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-01-17/amazon-to-reverse-proposed-u-k-ban-on-visa-credit-cards

Amazon to continue accepting Visa credit cards in UK as it bids to resolve payment dispute | Business News | Sky News
https://news.sky.com/story/amazon-drops-date-to-stop-accepting-visa-credit-cards-for-uk-payments-12518264

Amazon reverses decision to ban Visa credit cards in the UK over fees - The Verge
https://www.theverge.com/2022/1/17/22887637/amazon-uk-visa-credit-card-ban-reversed-deal

Amazon UK and Visa make payment friends... for now | Club386
https://www.club386.com/amazon-uk-and-visa-make-payment-friends-for-now/

顧客がクレジットカード決済を行うと、小売業者は支払い料金に応じた取引手数料をカード会社に支払う必要があります。取引手数料の高額さは多くの小売業者にとって悩みの種であり、それは世界最大級のECサイトを運営するAmazonも例外ではありません。


EUでは欧州経済領域間における取引手数料の上限が設けられており、Amazonが支払うVisaクレジットカードの取引手数料は0.3%に抑えられてきました。ところが、2020年にEUを離脱したイギリスではこの制限がなくなったことから、小売業者は取引手数料の値上げに直面しているとのこと。イギリスのEU離脱以降、Visaはイギリスにおけるクレジットカードの取引手数料を従来の5倍である1.5%に引き上げています

こうした状況を受けて、Amazonは2021年11月の第3週に顧客へ送信した電子メールで、「イギリスで発行されたVisaクレジットカードが2022年1月19日から使用できなくなります」と通知しました。Amazonの広報担当者は「カード決済を受け入れる際に出るコストは、顧客に最高の価格を提供しようと努力している企業にとって障害となります。これらのコストは技術の進歩に伴って、時間と共に下がるはずですが、依然として高額なだけでなく上昇し続けています」と述べ、高額な取引手数料は顧客へのサービスに支障を来すと主張しています。

Amazonがイギリスで発行されたVisaクレジットカードのサポートを終了 - GIGAZINE


ところが、Visaクレジットカードの取り扱い停止が間近に迫った2022年1月、Amazonはイギリスの顧客に対して「Amazon.co.ukで予定されていたVisaクレジットカードの使用に関する変更は、1月19日には行われないことになりました」と通知する電子メールを送り、Visaクレジットカードの取り扱い停止を撤回しました。

電子メールの中でAmazonは、「顧客がVisaクレジットカードを引き続き利用できるようにするため、潜在的な解決策について緊密に取り組んでいます」と述べていますが、具体的な解決策については言及していません。また、「Visaクレジットカードに関する変更を行う場合は事前に通知します」とも記していることから、完全にVisaクレジットカードの取り扱い停止が凍結されたわけではないようです。

ニュース専門局のSky Newsは、市場調査会社のMintelが行った調査ではイギリスの消費者の89%がAmazonで買い物をしているとの結果が出ており、Amazonからの締め出しはVisaにとって痛手だったと指摘。金融サービス企業・Hargreaves Lansdownの上級投資・市場アナリストを務めるSusannah Streeter氏は、「両社は完全に引き下がったわけではありませんが、先週末の協議は生産的だったようで、確かにAmazonのトーンはより融和的になっています」と述べ、AmazonにおけるVisaクレジットカードの取り扱い停止は双方の損失となると主張しています。

Visaは声明の中で、「Amazonのユーザーは1月19日以降もAmazon.co.ukで引き続きVisaクレジットカードを使用することができます。私たちは合意に向けてAmazonと緊密に協力していきます」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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