生き物

世界初のタコ養殖場がオープンしたというニュースに「知性を持つ生き物が食用に養殖されるべきではない」と科学者が落胆


世界初となるタコの養殖場がカナリア諸島でオープンしました。しかし、これに対して自然保護論者や一部の科学者から「失望した」「知性あるタコを養殖すべきではない」などの批判的なコメントが寄せられています。

The world’s first octopus farm to open in the Canaries, right or wrong?
https://www.euroweeklynews.com/2021/12/20/the-worlds-first-octopus-farm-to-open-in-the-canaries-right-or-wrong/

タコは他の生物と比べて比較的成長速度が速いため、養殖することで市場に早く卸すことが可能であるとして、近年養殖の可能性が模索されてきました。そんなタコの養殖を実現した世界初のタコ養殖場がカナリア諸島のラスパルマス港の近くでオープンしています。養殖場を開設したのはスペインを本拠地とする多国籍企業のヌエバペスカノワ。


一方で、近年は自然保護論者や科学者たちが「タコは知性を持った生き物であり、痛みを感じることができる感情を持った生き物である」と主張しています。タコが知性を持った生き物であることは、Netflixで配信されているタコと人間の1年以上にわたる交流を描いたドキュメンタリー映画「オクトパスの神秘:海の賢者は語る」で非常によく描写されています。

好きな雌ダコに会うため、1年間海に潜りまくった男 | オクトパスの神秘: 海の賢者は語る | Netflix Japan - YouTube


また、イギリスでは2021年11月に「意識を持つ動物を気絶させたり冷凍させたりせず、生きたままゆでたり包装したりする行為」を禁止する動物福祉(感覚)法案の適用範囲を拡大し、無脊椎動物であるカニやエビ、タコも保護の範囲に含めることが発表されています。

「エビ・カニ・タコは感覚を有する生物」とイギリス政府が認定、生きたままゆでる行為を禁じる法案成立に向け前進 - GIGAZINE


これまで多くの科学者たちが「タコが知性を持っていること」を理由として養殖に反対してきました。また、タコは高い知性を有しているため商業的な養殖には不向きであるという意見もありました。しかし、過去50年でタコの需要は10倍にまで増加しており、養殖の可能性を模索する試みは何十年も続けられています。

世界初のタコの養殖場オープンを報じたEuro Weekly Newsは、「知性あるタコを養殖することは許されるべきでしょうか?」と疑問を投げかけています。

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in 生き物,   動画, Posted by logu_ii

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