生き物

ペットショップの犬猫展示販売や水族館のイルカショーを禁ずる法律が可決される


フランスで新たに動物の権利を拡大する法律が可決しました。この新法はペットショップなどにおける犬猫の展示販売に加え、サーカスのクマや水族館のイルカショーなどの動物を使った見せ物を禁止します。

Here’s what you need to know about France’s new animal rights law
https://www.thelocal.fr/20211118/heres-what-you-need-to-know-about-frances-proposed-animal-rights-law/

France bans wild circus animals and mink farms, but not bullfighting | France | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2021/nov/18/france-bans-wild-circus-animals-and-mink-farms-but-not-bullfighting

2021年11月18日、動物の権利を拡大する新法がフランス議会で可決されました。この新法はペットの飼育放棄・展示販売・虐待並びにサーカスや水族館などにおける見せ物、そして獣姦に対する規制を強化します。各項目に関する詳細が以下。

・ペットの飼育放棄
「ペットを衝動買いして後に捨てる」という事態を防ぐため、ネコやイヌを初めて購入する場合にはまずは専用の同意書に署名して規制当局に提出し、7日間待機しなければならないという義務が生じました。この待機期間中に気が変わった場合は、購入予定を撤回することが可能です。

また、飼育放棄に関する罰則も強化されました。新しい新法では、ペットの飼育放棄は最大で2年間の禁固刑と3万ユーロ(約390万円)の罰金が科されます。


・ペットの展示販売
2024年以降、ペットショップにおける犬猫の展示販売が禁止され、展示できるのは保護シェルターに届けられた捨て犬・捨て猫のみになります。オンラインにおける販売も規制が強化され、認可を受けたブリーダーとペットショップにおいてのみ生体の販売が許可されます。

また、未成年者に対するペットの販売は、保護者の同意が必須となります。

・ペットの虐待
現行法においてもペットの虐待は厳しく取り扱われていますが、新たな法律では「未成年者による虐待」に対する罰則を強化します。ただし裁判官の判断により、動物虐待者に対して実刑の代わりに「動物虐待に関する講習の受講」を科す措置が認められます。

また、学校教育に「ペットを適切に扱う方法」に関する授業を設けるように定められます。


・獣姦
獣姦はすでに違法とされていますが、新たに「動物との性行為を撮影/放送する行為」に対して厳しい罰則を設けます。出会い系サイトやアプリなどで動物との性行為を提案すると、1年間の懲役刑が科されます。

・動物による見せ物
動物を見せ物として扱う行為が段階的に禁じられます。2023年にはテレビのバラエティ番組などで野生動物を見せる行為と見せ物目的で野生動物を繁殖する行為が禁じられ、2026年には水族館におけるイルカショー・シャチショーが禁止。2028年にはサーカスにおける野生動物を使ったアニマルショーが禁じられます。

サーカスなどで飼育されている動物の扱いを監査する専門委員会がすでに設立されており、非移動型のサーカスに関しては動物園と同等の動物保護基準が適用されています。


・狩猟と闘牛
今回の新法は家畜や農業用動物、狩猟対象の野生動物、闘牛を対象とした規制は追加されませんでした。

闘牛はスペインが代表的ですが、フランス南部においても長い歴史を有しています。報道によると、闘牛は今回規制の対象となりませんでしたが、地方自治体の多くが闘牛を禁ずる条例を自主的に制定しているとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ペットに対する虐待は人間への虐待と同様に罰せられることになるという新法がスペインに登場 - GIGAZINE

イギリスがロブスターやタコをそのまま茹でる行為を禁止する可能性、「甲殻類や軟体動物も動物愛護の対象とすべき」という新法により - GIGAZINE

犬の散歩は「1日2回、合計で1時間以上」という法律が制定される - GIGAZINE

in 生き物, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.