メモ

Amazonがイギリスで発行されたVisaクレジットカードのサポートを終了


世界最大級のECサイトを運営するAmazonが、2022年からイギリスで発行されたVisaのクレジットカードのサポートを停止します。これは顧客がクレジットカードでの支払いを行った際に、Amazonが払わなければいけない取引手数料が不当に高額になっているのが原因です。

Amazon to Stop Accepting U.K.-Issued Visa Credit Cards - WSJ
https://www.wsj.com/articles/amazon-to-stop-accepting-u-k-issued-visa-credit-cards-11637153600

Amazon Will Stop Accepting Visa Credit Cards Issued in Britain - The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/11/17/business/amazon-visa-britain.html

Amazon customers blocked from using Visa credit cards
https://www.telegraph.co.uk/personal-banking/credit-cards/amazon-ban-payments-visa-credit-cards-next-year/

Amazon Stops Payment Method Using U.K.-Issued Visa Credit Cards From 2022 - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-11-17/amazon-will-stop-accepting-visa-credit-cards-issued-in-the-u-k

2022年1月19日以降、イギリスで発行されたVisaのクレジットカードがAmazon上で使えなくなります。Amazonユーザーは2021年11月の第3週にAmazonから「イギリスで発行されたVisaクレジットカードは使用できなくなります」という通知を受け取っています。この通知について報じられてから、Visaの株価は5.2%下落しました。


Amazonの広報担当者は「カード決済を受け入れる際に出るコストは、顧客に最高の価格を提供しようと努力している企業にとって障害となります」と述べ、高額な取引手数料を受け入れるとAmazonの価格帯を維持できなくなると述べました。

Amazonはユーザーに対して、「Visaのデビットカード、Mastercardおよびアメリカン・エキスプレスのクレジットカード、イギリス以外で発行されたVisaのクレジットカードは引き続き使用可能」と通知しています。なお、AmazonはすでにシンガポールおよびオーストラリアでVisaのクレジットカードを使用しているユーザーに対して、追加料金を課しています。

これに対して、Visaの広報担当者は「Amazonが将来的に消費者の選択を制限すると脅迫していることに非常に失望しています。消費者の選択肢が限られている場合、誰も勝利を得られません」「我々はAmazonと長年の関係を持っており、問題解決に向けた努力を続けています」と海外メディアのBloombergに語っています。


Amazonを含む小売業者は長年電子決済を受け入れるために毎年費やす高額な取引手数料に不満を抱いてきました。この取引手数料の割合が高まるにつれ、アメリカでは年間1000億ドル(約11兆4000億円)以上にまで膨れ上がっています。

取引手数料の高騰はイギリスのEU離脱後、さらに加速しています。Bloombergの調査によると、イギリスにおけるクレジットカードおよびデビットカードの取引手数料は年間1億5000万ポンド(約230億円)にまで膨れ上がっており、イギリスとヨーロッパの両方の小売業者にとって負担となっています。

小売り決済アドバイザリーのCMS Payments IntelligenceやBritish Retail Consortiumによると、イギリスがEUから離脱したことでイギリスと欧州経済領域間の取引上限が撤廃され、カード会社は国境を越えた取引手数料の引き上げに直面することとなった模様。

イギリスの経済システム規制当局は、「カード決済は2020年のイギリスの小売り支出の5分の4以上を占めており、わずか2社がこれらの決済の98%を占めています」「最終的にこれらの急増するコストを抑えることができない限り、より高い価格に苦しむこととなるのは消費者でしょう」と語っています。


なお、2016年にはウォルマートが取引手数料の高騰をめぐりVisaを訴えており、2018年にはスーパーマーケットチェーンのKrogerが子会社であるFoods CoでVisaのクレジットカードのサポートを停止しています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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