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ホラー映画をリアルにして恐怖を増幅させるための4つの仕掛けとは?


ホラー映画で視聴者の恐怖を増幅させるには「映像のリアルさ」が重要になります。長い映画史の中で、リアルさを生み出すためのさまざまなテクニックが編み出されており、知られざるその内容を「ナイフ」「血のり」「破裂」「見えないことによる演出」という4点にまとめて解説したムービーがYouTubeで公開されています。

The tricks that make slasher films look real - YouTube


これが「スクリーム」のオープニングシーンで……


こっちが「スクリーム2」のオープニングシーン。どちらも同じような感じですが、実はなぜか「2」より「1」の方がリアルに見えるといわれています。同様のシーンなのになぜリアルさに違いが出るのか?という点に迫ったのがこのムービー。


ホラー映画をリアルに見せる1つ目のポイントは「ナイフ」


まずスクリームやスクリーム2では、切れ味を悪くした本物のナイフが使われています。


切れ味の悪いナイフは昔から舞台の道具として使われており、映画の撮影でもその慣習がそのまま伝わっていました。


本物のナイフを使っているので、ナイフがクローズアップされる見せ場において「リアルさ」が生まれますが、一方で切れ味を悪くしてはいるものの、危険なのは変わりありません。


映画撮影は安全さが優先されるため、小道具の使用方法にもルールが存在します。このルールにのっとり、スクリームの撮影ではゴム製ナイフ・プラスチック製ナイフ・刃の部分が出し入れできるナイフなど、撮影シーンに合わせてさまざまなナイフが利用されました。


例えば、人の体にナイフをあてる時や、人を追いかけながらナイフをかざす時にはプラスチックやゴム製のナイフが使われます。


一方で、ナイフ単体が映る「見せ場」には本物のナイフが使用されるとのこと。


画面右側のスクリーム2の映像では、ナイフが体に刺さる瞬間の、刃の部分が出たり入ったりしている様子が映し出されています。


一方でオリジナルのスクリームは、ナイフを刺した個所を手で隠す演出がとられています。刃の部分が出たり入ったりする「偽物っぽい」瞬間を隠すことで、リアルさを生み出しているというわけです。


また、最近ではナイフを撮影後にデジタルで追加するということも行われているとのこと。


ゾンビランド:ダブルタップ」において、撮影時にエマ・ストーンが手にしていたのは、ナイフの柄の部分だけでした。刃の部分と血は、後からCGで追加されたわけです。


CGで血を追加する処理がとられることもありますが、時には血のりが使われることもあります。この「血のり」が、ホラー映画をリアルに見せる2つ目のポイントです。


血の付いたナイフを演出する際に、柄の部分に血のりが入ったスポイトを隠しておくこともあるとのこと。


この単純な方法をリアルに見せるのは血のりの出来次第です。


映画が白黒だった時代は、血のりはハーシーのチョコレートシロップで問題なく、ヒッチコックの「サイコ」でもチョコレートシロップが使われました。しかし、映画がカラーに変わった時に、この方法は通用しなくなりました。


カラーになって初期のホラー映画に出てくる血のりは「薄すぎ」「色が明るすぎ」という問題がありましたが……


1970年代、「キャリー」などでは「ケンジントン・ゴア」という名前のよりリアルな血のりが使われるようになりました。


ケンジントン・ゴアはイギリスの薬剤師が作り出した血のりで、その名前はイギリスの茶色い建物が続く通りにちなみます。


ケンジントン・ゴアは水と食品用着色料、そしてコーンシロップから作られます。初期の血のりの「薄い」という問題は、コーンシロップを追加したことによる「とろみ」で解決されました。


さらに映画のメイクアップアーティストであるディック・スミス氏は写真の現像用薬品を追加。


これにより、とろみはそのままに、「服に染み込む」血のりが完成しました。


現代ではさらに多くの血のりのレシピが開発され、用途に応じて使い分けられています。


例えば口から流れる血のりは食用レベルの安全性のもので……


吹き出す血のりはあとで掃除ができるように洗い流せる仕様になっているとのこと。なお、B級ホラー映画でシャワー室がよく登場するのは「洗い流すのが楽だから」という理由もあるそうです。


そして3つ目のポイントは「破裂」について。


爆発や銃撃の際には「破裂」の効果が用いられます。


これには、血のりで満たした容器に小さな起爆剤を取り付けるという方法があります。


シャツの中に起爆剤を隠して……


爆発が起これば、血のりが吹き出します。この方法はプロが適切な方法とタイミングで行うことによって目的の効果を発生させることができるテクニックだそうです。


さらに大規模に「血の吹き出し」を表現するためには、パイプのようなものを使用。この方法は基本的に、パーティーなどで使われる紙吹雪用キャノンと同じ仕組みとのこと。


首から何度も繰り返し血が噴き出すシーン。


これは隠れた場所にエアポンプとチューブがあり、空気圧を利用し、まるで心拍に合わせて血が噴き出しているかのように見せています。


そして4つ目のポイントが「見えないもので演出する」ということ。


ナイフの使い分けや血のりはホラー映画にとって重要な要素ですが、あえて「見えないもの」を作り出すことで恐怖を演出することも重要なポイント。ナイフで刺すところはあえてイスで見えなくしたり……


フレームの外に出したり。


また「ハロウィン」ではナイフを持ったブギーマンが部屋に入り……


壁で見えないところで殺人。被害者の声や揺れる家具、倒れる椅子などで「何が起こっているのか」を視聴者に想像させる仕組みになっています。


このような効果によって、実際には見ていないにも関わらず、殺人の現場を見たようなリアルな感覚を視聴者に与えるわけです。

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in 動画,   映画, Posted by darkhorse_log

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