メモ

ビール醸造所が「新型コロナ対策に従わない教育委員会を片っ端から訴える」計画を発表、訴訟を起こす親に資金提供を実施


2021年9月に新学期が始まったアメリカでは、疾病予防管理センター(CDC)が学校内でのマスク着用などを義務づけるように呼びかけていますが、州や学区、親の方針によってマスク着用の義務を巡る対立が起きています。そんな中、ウィスコンシン州のビール醸造所であるMinocqua Brewing Companyが「CDCのCOVID-19対策ガイドラインに従わないウィスコンシン州にある全ての教育委員会を訴える」という計画を発表し、教育委員会に対する訴訟を起こす両親に資金提供を行っています。



Wisconsin parents sue school districts that don't require masks : NPR
https://www.npr.org/2021/10/12/1045260064/covid-19-wisconsin-lawsuits-schools-parents-masks-brewery

Wisconsinites plan to sue “every school board” that ignores CDC’s COVID advice | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2021/10/brewerys-super-pac-helps-parents-sue-schools-that-ignore-cdcs-covid-advice/

Minocqua Brewing Companyのオーナーであるカーク・バングスタッド氏は、醸造所の利益の一部を自らが設立した政治行動委員会の活動資金に充てています。新たにバングスタッド氏は、「学校でのCOVID-19のまん延を防ぐため、CDCのCOVID-19対策ガイドラインに従わないウィスコンシン州にある全ての教育委員会を訴える」という計画を立ち上げ、Minocqua Brewing Companyの政治行動委員会を通じて訴訟を起こす親に資金提供を行うと述べました。

バングスタッド氏はFacebookの投稿で、「ウィスコンシン州のコミュニティではデルタ株が爆発的に増加しました。これは、タッカー・カールソン(保守派の政治コメンテーター)を見ていて、自分の頭で考えずにトカゲの脳で動かされるゾンビの大群が大きな声を上げたせいで、多くの学区が昨年は実施されていたCOVID-19対策を全て中止したからです」と述べ、CDCのガイドラインに従わない人々や教育委員会を厳しく批判しています。

バングスタッド氏は民主党の支持者であり、Minocqua Brewing Companyではジョー・バイデン大統領にちなんだ「Biden Beer(バイデン・ビール)」や、バーニー・サンダーズ氏にちなんだ「Bernie Brew(バーニー・ブリュー)」などを販売しているとのこと。


Minocqua Brewing Companyが資金提供を行った最初の訴訟は、2021年10月6日にウィスコンシン州・ウォキショーの教育委員会に対して起こされました。ウォキショーが最初の場所になったのは、単にバングスタッド氏が最初に原告である親と会った地域だからであり、今後は訴訟を起こす地域をウィスコンシン州全体に拡大していくと説明しています。

ウォキショーの訴訟の原告であるシャノン・ジェンセン氏によると、ジェンセン氏の息子が通う小学校では学校内でのマスク着用が義務づけられておらず、多くの子どもがマスクを着けていなかったとのこと。ジェンセン氏の息子はマスクを着用していましたが、隣の席の同級生がCOVID-19の症状が出ているのにマスクを着用せずに2日連続で登校した後、COVID-19の検査で陽性と診断されてしまいました。その結果、息子やその他の兄弟も自宅隔離を余儀なくされ、教育や生活に大きな混乱が発生したそうです。


同じクラスでは2021年9月だけで4人がCOVID-19陽性と診断されており、明らかにクラスの中でクラスターが発生しているとジェンセン氏は主張。息子がCOVID-19を発症したのは、教育委員会が「合理的なCOVID-19対策の実施を無謀にも拒否したからです」と述べ、7月まで実施されていたマスク着用などの安全対策を9月から撤廃した教育委員会を非難しました。

訴状は、「(ジェンセン氏の息子は)アメリカ合衆国憲法修正第14条の下で、学校にいる間は国が生み出す危険から安全であるという認められた権利を持っています」と主張し、学校には子どもたちを守る義務があり、適切なCOVID-19対策ガイドラインに従って安全対策を継続するべきだったと訴えています。

ウォキショーの学校では、外部の訪問者やボランティアがマスクや事前のCOVID-19スクリーニング検査なしで学校内に入ることが可能であり、課外活動も十分な対策なしで再開されているとのこと。訴状は「生徒たちを教室に戻し、課外活動を再開し、潜在的な感染源である訪問者やボランティアをマスクなしで校内へ入れることで、ウォキショー学区と教育委員会は生徒をCOVID-19の『ヘビの巣穴』に投げ込みました」と述べ、教育委員会は学校内におけるCOVID-19のリスクを拡大していると主張しています。


また、バングスタッド氏が資金提供を行った2つ目の訴訟が、10月11日にウィスコンシン州のフォール・クリークの教育委員会に対して起こされました。こちらも訴えている内容はウォキショーでの訴訟とほぼ同じであり、やはり原告の子どもはCOVID-19を発症していたがマスクを着用していない同級生と同じクラスで過ごした後、COVID-19を発症してしまったとのこと。

なお、今回訴えを起こされたウォキショーとフォール・クリークの教育委員会は、メディアの問い合わせやインタビューの要請に応じていないとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
新型コロナワクチン未接種の教師に対して学校への出勤を禁じる判決が下される - GIGAZINE

500回分の新型コロナワクチンを故意に放置して劣化させた薬剤師が逮捕される、警察は「陰謀論の信奉者」と発表 - GIGAZINE

Appleが反ワクチン主義者向けアプリ「Unjected」をApp Storeから削除 - GIGAZINE

本物の新型コロナワクチン接種証明書を盗み出して販売した薬剤師が逮捕、懲役120年の可能性 - GIGAZINE

Redditが「反ワクチン派最大の拠点」だったサブレディットを削除、54サブレディットも隔離 - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.