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GPUを用いて高解像度&高速な天気予報を実現するシステム「FastEddy」が開発される


AI開発企業のDeepMindが気象予報士並みに正確な天気予報が可能なAIを開発するなど、気象予測に関する技術は日々進歩しています。そんな中、アメリカ大気研究センター(NCAR)がGPUを用いて従来の天気予報よりも細分化されたエリアの天気予報が可能なシステム「FastEddy」を開発しました。

GPUs open the potential to forecast urban weather for drones and air taxis | NCAR & UCAR News
https://news.ucar.edu/132811/gpus-open-potential-forecast-urban-weather-drones-and-air-taxis


近年、ドローンによる配達技術の開発が進み、アフリカなどの地域では医療用品配達ドローンが活躍しています。NCARによると、これらのドローンは風の影響を強く受けるため、ドローンを活躍させるためには建物や地形によって変化する風などの天候の高解像度な予測が必要になるとのこと。


従来の天気予報技術では、比較的高解像度な手法でも約3~4km四方のマス目を用いて数値予報を行っているため、建物の位置や細かな土地の起伏などは考慮されておらず、ドローンのための天気予報としては解像度が不十分でした。また、NCARは非常に高解像度な天気予報を可能にする「WRF-LES」と呼ばれる天気用法モデルも実用化していますが、WRF-LESの利用には大規模なコンピューター設備や予測を算出するのに長い時間が必要とのこと。そこでNCARは従来の天気予報モデルよりも高解像度かつ高速な予報を実現するモデルの開発に取り組みました。

その結果、NCARは5メートル四方のマス目を利用した天気予報モデル「FastEddy」の開発に成功しました。従来の天気予報モデルでは計算処理にCPUを用いていますが、FastEddyはゲームなどの計算処理に用いられるGPUを用いて計算を実行しています。そのため、FastEddyではCPUを用いた天気予報モデルと同じ消費電力で8倍高速に天気を予測できるとのこと。


NACRは「都市の風の流れによっては、ドローンのバッテリー消耗速度が3倍になる場合があります」「FastEddyによる風向きや風力の予測は、ドローンの飛行に必要なバッテリー残量を把握や、安全に目的地へたどり着けるかの判断に役立ちます」と述べています。

また、NCARはFastEddyの機能向上を続け、将来的に音の広がり方などもシミュレーションできるようにしたいと、今後の展望を語っています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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