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データで見る世界の「ギグワーカー」が抱く感情


Uber Eatsなどのフードデリバリーサービスの台頭とともに、インターネットを通じて単発の仕事を請け負う労働者である「ギグワーカー」が一般化しつつあります。そんなギグワーカーについて、新たに国際的な非営利ジャーナリズム組織のRest of Worldが15カ国4900人のギグワーカーから得た情報に基づく「非先進国におけるギグワーカーの実態」を発表しました。

The gig workers index: Mixed emotions, dim prospects - Rest of World
https://restofworld.org/2021/global-gig-workers-index-mixed-emotions-dim-prospects/

Rest of Worldが発表したのは、ロシア・メキシコ・インド・ブラジル・南アフリカなど15カ国で活動するギグワーカー4900人に対するアンケート調査をまとめた分析です。今回の分析の結果、ギグワーカーの抱えている感情は国によって傾向が異なるものの、「大半のギグワーカーは1年以内に辞めたいと思っている」「デリバリー系のギグワーカーは特に辞めたいという気持ちが強い」ということが判明しています。

以下のレーダーチャートは、調査に応じたギグワーカーが回答した、「稼ぎが良いかどうか(上側)」「長続きするかどうか(左下)」「現状幸せかどうか(右下)」という問いに対する主観的な点数を国別にまとめたものです。結果は国によって大きく異なっており、例えばロシアでは「稼ぎが良いかどうか」はほぼゼロ点に近いものの「長続きするかどうか」「現状幸せかどうか」は満点。インドでは「稼ぎが良いかどうか」は満点で、「長続きするかどうか」「現状幸せかどうか」がゼロ点となっています。


以上の結果にはばらつきが見られるものの、一人当たりGDPを考えた場合には「裕福な国ではギグワーカーの満足度も高い」という傾向が見えてきます。調査対象国について、一人当たりGDP(横軸)とギグワーカーの満足度(縦軸)をグラフ化したものが以下。


「一人当たりGDPとギグワーカーの満足度が関連している」と言われると「ギグワーカーの不満は賃金にあるのでは」と考えてしまいますが、今回の調査結果はそうではないことを示唆しています。調査対象国の中で一人当たりGDPが下から3番目に位置するインドでは、ギグワーカーの69.1%が「収入事情に満足している」と回答。この中でGDPが最も低いエチオピアでは58%、下から2番目のパキスタンでは65.4%と、低所得国のギグワーカーは収入に満足しているという結果が得られています。


しかし、「ギグワーカーの主観と現実は異なる」ということも調査によって判明しています。ギグワーカーは長時間労働を行う傾向があり、時給換算した場合には約40%のギグワーカーが最低賃金以下の収入しか得られていません。以下のグラフは、青色がドライバー系、ピンクがデリバリー系、緑色がケアワーカー系、オレンジが家事代行系のギグワーカーの平均時給を示しており、「1x minimum wage」と書かれているラインが最低賃金です。


ギグワーカーが自分の労働に対し抱いている感情が以下。青色が不安(WORRIED)、赤色が怒り(ANGRY)、黄色が喜び(HAPPY)、緑色が悲しみ(SAD)、オレンジが疲れ(TIRED)、紫色が危険(UNSAFE)を表しています。インドのデリバリー系や配車サービス系に属するギグワーカーは、身の危険を感じている割合が特に高いという結果が得られました。


また、ギグワーカーの大半が「1年以内に辞めたい」と回答することも示されています。以下は「どれぐらい長く仕事を続けると思いますか?」という質問に対する回答の割合で、オレンジが「1カ月以内に辞める」、薄黄色が「1カ月~1年で辞める」、薄緑色が「3年以内にやめる」、緑色が「3年以上続ける」という割合です。ウクライナを除く14カ国で、「1カ月以内に辞める」「1カ月~1年で辞める」の合計は50%を超えています。


職種別に見た場合の、ケアワーカー系が以下。


デリバリー系


家事代行系


ドライバー系はそれぞれこんな感じ。Rest of Worldは「デリバリー系のギグワーカーは他の職種に比べて1カ月以内に辞めたいと思っている割合が高い」とコメントしています。


Rest of Worldは今回の調査結果と同日にギグワークを推進している投資会社に関する特集も報道。日本のソフトバンクグループが他社を圧倒する額の投資を行っていると解説しています。

The investors pushing the gig model around the world - Rest of World
https://restofworld.org/2021/global-gig-workers-investors-behind-gig-work-model/

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in メモ, Posted by log1k_iy

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