サイエンス

新型コロナで感染者数が1000分の1になった「インフルエンザ」が復活するという研究結果


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行の影響を受け、平均感染者数が例年の1000分の1になった「インフルエンザ」について、「2021年冬季には例年よりも深刻化する」という研究結果が新たに報じられました。

Predicting the impact of low influenza activity in 2020 on population immunity and future influenza season in the United States | medRxiv
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.08.29.21262803v1

Agent-based Investigation of the Impact of Low Rates of Influenza on Next Season Influenza Infections | medRxiv
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.08.18.21262185v2

Upcoming Flu Season Will Likely Be Severe
https://www.upmc.com/media/news/083121-roberts-flucovid-medrxiv

Flu season will be bad this year, research predicts | Live Science
https://www.livescience.com/flu-season-comeback-covid-2021-2022.html

インフルエンザは例年冬季に流行する傾向がありますが、2020年はCOVID-19対策としてマスク着用や手洗いが定着した結果、例年に比べて感染者数が「1000分の1」に激減。中でも「3c3.A」と「B/Yamagata」の2種に至っては2020年3月以降1年以上にわたって感染者数がゼロだったことから、「絶滅したのでは」とまで報じられました

「ライバルが強すぎた」コロナ禍でインフル激減の理由:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASP3Q4F1VP2XUBQU004.html


話題に上ることすら少なくなったインフルエンザですが、新たにアメリカのピッツバーグ大学公衆衛生ダイナミクス研究所が「2022年冬季にはインフルエンザが例年よりも深刻化し、特に幼児が大打撃を受ける」という2つの予測結果を公開しました。

1つ目の研究結果は、同研究所に所属するKyueun Lee氏が行ったSEIRモデルを活用したインフルエンザの分析予測。Lee氏は2009年から2020年までのデータを活用して、インフルエンザの流行と集団免疫の関係についてシミュレートを実施し、「インフルエンザによる入院者数は2021年から2022年にかけてアメリカで約10万2000人増加する」と予測しました。

Lee氏の予測によると、伝染性の高いインフルエンザが流行し、なおかつインフルエンザワクチンの接種率が低かった場合には入院者数は40万9000人増に達する可能性もあるとのこと。同氏はこのような入院者増を避けたい場合は、インフルエンザの予防接種率を50%から75%に高める必要があると記しています。


2つ目の研究結果は同研究所に所属するMary Krauland氏が行った感染症数理モデルを用いたインフルエンザの分析予測で、前述のLee氏とは異なるモデルを用いましたが、「例年よりも深刻化する」という点では共通でした。Krauland氏の研究によると、2021年冬季にはインフルエンザの感染者数は例年に比べて20%増加し、特に2歳未満の幼児は2020年のインフルエンザ激減期のよりもどしを受けて感染リスクが特に高くなるとのこと。

前述のLee氏の研究では予防接種率を上げることが重要だとしていましたが、この点についてはKrauland氏の研究も同様で、Krauland氏は「インフルエンザワクチンの接種率を10%上げると入院件数が6~46%下がる」と結論づけています。

上記2つの研究を監督した同研究所のマーク・ロバーツ所長は「今回の結果は将来インフルエンザを深刻化させないようにCOVID-19の緩和策を中止すべきということではなく、むしろ悪い結果を避けるためにはインフルエンザワクチンの接種が絶対に必要だということを示しています」とコメントしています。

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in サイエンス, Posted by log1k_iy

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