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Visaが24×24ピクセルのNFTアート「CryptoPunk #7610」を約1650万円で購入したことを発表

by Larva Labs

近年オンラインで注目を集めている「非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)」とは、ブロックチェーンの仕組みを利用して所有権が追跡されているデジタル資産であり、所有するデジタルコンテンツが「本物」であることを証明できる点が特徴です。2021年8月23日に決済大手のVisaが、24×24ピクセルで構成された黎明(れいめい)期のNFTアート「CryptoPunk #7610」を約1650万円で購入したことを発表しました。

Over the last 60 years, Visa has built a collection of historic commerce artifacts - from early paper credit cards to the zip-zap machine. Today, as we enter a new era of NFT-commerce, Visa welcomes CryptoPunk #7610 to our collection. https://t.co/XoPFfwxUiu

— VisaNews (@VisaNews)


NFTs mark a new chapter for digital commerce | Visa
https://usa.visa.com/visa-everywhere/blog/bdp/2021/08/18/nfts-mark-a-1629328216374.html

Visa buys a CryptoPunk as it takes first steps into 'NFT commerce'
https://www.theblockcrypto.com/post/115333/visa-buys-cryptopunk-first-steps-nft-commerce

CryptoPunksはカナダ人のソフトウェア開発者らが設立したスタジオ・Larva Labsが2017年に発表した1万枚のNFTアートの総称であり、まだNFTの存在が広く認知されていない時期に登場したパイオニア的作品です。CryptoPunksに含まれるNFTアートはいずれも24×24ピクセルで構成されたパンクロッカー風の男性と女性であり、「CryptoPunk #0」から「CryptoPunk #9999」までの合計1万枚が存在しています。

当初、イーサリアムブロックチェーンを基にしたCryptoPunkは無料でリリースされ、イーサリアムのウォレットを持っている人なら誰でも無料で手に入れることができました。その後、NFTの認知度が高まるにつれて次第に高額で取引されるようになり、2021年1月には宇宙人の姿をした「CryptoPunk #2890」が約7900万円で取引されたほか、3月には同じく宇宙人である「CryptoPunk #7804」が約8億2000万円で取引されたとして話題を呼びました。

そして8月23日、決済大手のVisaが「CryptoPunk #7610」を49.50イーサリアム(取引時点で14万9939ドル/約1646万円)で購入したと発表しました。Visaは以前から「紙でできた初期のクレジットカード」「電子端末の登場以前にクレジットカードの取引で使用されていたZip-zapマシン」など、商取引に関するさまざまな文化的遺物をコレクションしており、今回の「CryptoPunk #7610」の購入もその一環だとのこと。

「CryptoPunk #7610」がどのようなNFTアートなのかは、以下のページで確認できます。

CryptoPunks: Details for Punk #7610
https://www.larvalabs.com/cryptopunks/details/7610

「CryptoPunk #7610」は女性の姿をしたNFTアートとのこと。


取引履歴を確認すると、8月19日に「gmoney」というユーザーから「0xa04e64」というユーザーに売却されていることがわかります。


「0xa04e64」はVisaが取引に利用したアカウントであり、アカウントのページを見ると「CryptoPunk #7610」を保有していることが確認できました。


Visaの暗号通貨担当責任者であるカイ・シェフィールド氏は、「コレクションの作成と維持は文明そのものと同じくらい古く、アイテムを収集する意欲がインターネットの仮想世界にまで広がるのは理にかなっている」と主張。NFTアートの初期に実験的な存在として登場したCryptoPunksは、今や暗号資産コミュニティにおける文化的なアイコンになっており、文化と商業をつなぐNFTプロジェクトにおいてCryptoPunksが果たした役割を認識するために、Visaは「CryptoPunk #7610」の購入を決めたとのこと。

また、今回の購入は文化的な意義だけでなく、実際の取引を通じてNFTコマースにおけるインフラストラクチャーへの理解を深めると共に、NFTコマースの未来を促進するクリエイターやコレクター、アーティストへのサポートを表明する意味もあったとシェフィールド氏はコメント。シェフィールド氏はNFTの登場をeコマース(電子商取引と)の登場と比較し、中小企業が通販サイトなどの登場で世界中の顧客にリーチできるようになったのと同様に、NFTの普及がブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの販売を後押しする可能性があると考えているそうです。

Visaは今後もNFTが継続的に成長すると見込んでおり、すでに(PDFファイル)NFTに関する白書を公開するなどして、企業がNFTの理解を深めるサポートをしています。シェフィールド氏は「私たちは今、クライアントがNFTコマースのエコシステムに参加する支援を始めることを約束しています」と述べました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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