ネットサービス

Facebookが初めて「Facebookで広く表示されているコンテンツは何か」というレポートを公開


「Facebookは人の偏見を助長し社会を分断している」と指摘されますが、実際にどのようなコンテンツがFacebook上で表示されているかは、これまで明らかではありませんでした。そんな中、2021年8月18日付けでFacebookがニュースフィード上で広く表示されているコンテンツが何かを示すレポートを公開しました。

Introducing the Widely Viewed Content Report - About Facebook
https://about.fb.com/news/2021/08/widely-viewed-content-report/

Q2'21 Widely Viewed Content Report: What People See on Facebook | Transparency Center
https://transparency.fb.com/data/widely-viewed-content-report/

Facebook’s most viewed content report is a bizarre window into the news feed - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2021/08/18/facebook-most-viewed-content-report/

Facebook releases a report on the most-viewed content in News Feed - The Verge
https://www.theverge.com/2021/8/18/22630813/facebook-report-most-viewed-content-links-news-feed-transparancy


ユーザーの興味・関心に合わせたコンテンツが自動的にフィードに表示されるというFacebookの仕組みは、偏見を抱いているユーザーに偏見を助長するコンテンツを表示させることになり、社会を分断し、「人を『自分の考える現実』に閉じ込める」と指摘されています。

しかし、コンテンツがユーザーごとにパーソナライズされるという特徴ゆえに、「どのようなコンテンツが実際に表示されているのか」を外部から分析するのは困難であり、また過去にFacebookがこれに関して透明性のある情報を提供したことはありませんでした。このためCrowdTangleというFacebook公式のパフォーマンス測定ツールを使って「インタラクションの合計でランク付けされた高パフォーマンスのリンクトップ10」を作成するTwitterアカウントを開設する人も登場しましたが、Facebookは「保守派のコメンテーターの人気を誇張する偏見のあるツール」だと反論していました。

このような流れの中で、Facebookは2021年8月18日付けで初めて、Facebook上でどのようなコンテンツが見られているかを示す「Widely Viewed Content Report」を発表しました。Facebookによると、Widely Viewed Content レポートで発表された内容は「プラットフォームで最もインタラクションを得たコンテンツ」ではなく「最も人が目にしたコンテンツ」となっているとのこと。レポートを見ると、その内容は誤情報や保守派の偏見に基づいた情報ではなく、一貫性のない雑多な情報の集まりのように見えます。

まず、最も見られたドメインのトップ20には、YouTube、Amazon、ユニセフのほか、クラウドファンドプラットフォームの「GoFundMe」、Twitter、GIF検索エンジンの「Tenor」、TikTokなどが続きます。


また過去3カ月間に最も閲覧されたリンクにはNFLチームのグリーンベイ・パッカーズのファンと元プレーヤーをつなぐことを提案するウェブサイトや、大麻に含まれるCBD製品の販売サイトなどが続きました。


最も広く閲覧された投稿は、「最初に見つけた単語3つがあなたの現実を示す」という画像付きの投稿で……


2番目に閲覧された投稿は、30歳以上に見えるユーザーに対して年齢よりも若く見える写真の投稿を促すもの。


3番目に閲覧された投稿は既に削除されたか非公開となっていますが、Google検索の結果から「あなたのポルノ名はミドルネームか最初に所有した車の名前です」というキャプションがついたものだったと推測されています。


「Facebookには有害なコンテンツがあふれている」という指摘は数多く、反ワクチンコンテンツの温床になっているという(PDFファイル)調査結果も存在します。今回Facebookが発表したレポートはそんな調査結果に反論するためのものだと考えられています。一方で、元Facebook従業員の一人は「これは、エクソンモービルが気候変動に関する独自調査を発表するようなものです。Facebookとは異なるストーリーを伝えるメディアや調査に対抗するためのものだと思います」とコメントしています。

Facebook自身も、レポートの内容が「Facebookユーザーが実際に目にする全てのもの」を正確に反映したものではないという点や、またレポートの内容がプライベートグループやプライベートプロファイルで共有された内容を含まないことを認めています。海外ニュースメディアのThe Vergeは「Facebookは『人が目にするもの』と『実際に関わるもの』を明確にわけており、このレポートは前者にのみ触れています。人に最も影響を及ぼすのは『関わった』ものであり、コメントやスクロールしたものの方が記憶に残るという議論が存在します」とコメント。またFacebookは前述の通りユーザーごとにカスタムしたフィードを表示しているため、レポートの内容はニュースフィードのごく一部の内容を反映したものであり、多くを省略しているという点にも注意を促しました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Facebookでポリシー違反のはずの「クレジットカードにおける年齢差別広告」が表示されていたことが判明 - GIGAZINE

Facebookの人権・公民権の監査レポートで「Facebookはひどい前例を作り出した」との酷評 - GIGAZINE

Facebook上のヘイトスピーチがエチオピアで大虐殺を招きつつある - GIGAZINE

Facebookが大学の研究用アカウントを無効に、利用規約に違反してユーザーのプライバシーを危険にさらすとの判断 - GIGAZINE

コカ・コーラやユニリーバなどの大企業が続々Facebookへの広告出稿を取りやめ、一体何が起こっているのか? - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.