世界で唯一の「滑走路を車両や歩行者が横切る空港」とは？

世界には厳重すぎる警備体制で有名な空港や、地面に謎の模様が刻まれた空港などの特徴ある空港が存在しています。そんな空港の中でもイギリスの海外領土・ジブラルタルに位置するジブラルタル国際空港は、滑走路が「歩行者や車両が通行する一般道」と交差しているという珍しい特徴を持っています。

Gibraltar, World’s Only Airport Runway Intersecting a Road | Amusing Planet
https://www.amusingplanet.com/2011/11/gibraltar-airport-worlds-only-airport.html

ジブラルタル国際空港はイギリスとの国際便を週に30便発着させている空港で、公式サイトによると2021年7月24日には4便、2021年7月25日には7便の国際便が発着する予定とのこと。

そんなジブラルタル国際空港は面積が6.8平方キロメートルしかないジブラルタルに位置しているため、一般道路と独立した滑走路を持っておらず、滑走路が自動車や歩行者が通行する道路と交差する形で敷かれています。

以下のムービーでは、実際にジブラルタル国際空港へ飛行機が着陸する時の様子を確認できます。

Amazing: Road crosses Runway at Gibraltar Airport | 4K - YouTube


自動車や歩行者が行き交う通常の道路ですが……

その先には滑走路が存在し、一般道と滑走路の境目にはゲートが設けられています。

ゲートに取り付けられた看板には、「前方に飛行場あり」「あなたは滑走路を横断しようとしています。素早く横断してください」と記されています。

他にも「ゴミを落とすと、致命的な事故につながる可能性があります」と記されたポイ捨てへの注意喚起を促す看板もあります。

飛行機の着陸予定時刻が近づくと、警察官が笛を吹いて自動車や歩行者に注意を促します。

さらに、ゲートがガシャリと閉じられます。

車道にも侵入を妨げるバーが降ろされました。

歩行者や車両がいなくなった滑走路を清掃車が走行してゴミを取り除いています。

ゲートの前で待っていると……

ものすごい勢いで飛行機が横切っていきました。

飛行機の着陸が完了したら再びゲートが開放されて道路の行き来が可能になります。

何事もなかったように車両も歩行者も道路を進み始めました。

なお、ジブラルタル国際空港の付近には「ザ・ロック」と呼ばれる大きな岩山が存在しています。飛行機のパイロットがザ・ロックを避けるための細かい操縦を求められることから、ジブラルタル国際空港は着陸の難易度が高い空港としても知られています。