サイエンス

あるはずのない光線が見える新たな錯視が報告される


同じ色のはずなのに違う色に見えるといった、視覚による錯覚を「錯視」と呼びます。これまでにさまざまな幾何学的錯視が報告されていますが、新たに、「光線を放っているように見える幾何学」の存在が発表されました。

A New Kind of Visual Illusion Uncovers How Our Brains Connect the Dots
https://www.nyu.edu/about/news-publications/news/2021/june/a-new-kind-of-visual-illusion-uncovers-how-our-brains-connect-th.html

Scintillating Starbursts: Concentric Star Polygons Induce Illusory Ray Patterns - Michael W. Karlovich, Pascal Wallisch, 2021
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/20416695211018720

A new type of optical illusion tricks the brain into seeing dazzling rays | Live Science
https://www.livescience.com/scintillating-starburst-illusion.html

新たな錯視は、デザイン会社CEOであり、神経科学者としてのバックグラウンドを持つMichael Karlovich氏が作成したもの。Karlovich氏は自ら立ち上げた「Recursia」という企業のロゴをデザインしましたが、このロゴが新たな錯視の事例として報告されています。

以下がRecursiaのロゴ。七角形を重ねたデザインですが、中央から光が放たれているかのように見えます。このロゴの形は「Scintillating Starburst(きらめくスターバースト)」と名付けられました。


「錯視に気づいた時、私は、今までに見たことがない効果を見ていると予感しました。これはうれしい驚きでしたが、その根底に存在するメカニズムについて混乱しました」とKarlovich氏は述べています。

なぜ錯視が起こるのかを明らかにすべく、Karlovich氏はニューヨーク大学のPascal Wallisch氏と協力し、Scintillating Starburstを使って100人以上を対象に実験を行いました。実験では、さまざまな形・光沢・複雑さのScintillating Starburstが162種類も作成され、用いられたとのこと。

被験者に「ビームや光の筋のようなものが見えるか」と質問したところ、Scintillating Starburstで光の筋が見えるためには、サイズ・コントラスト・線の太さなど、いくつかの条件が必要であることが判明しました。一方で、線や背景の色などは関係がないそうです。


七角形が交差する部分は花輪の最も薄い部分であり、ある程度のコントラストが存在すれば、その薄い部分をつなぐ「光線」が現れます。この時、コントラストが強いほど、光線は強く見えると研究チームは述べています。

同様の錯視に、ヘルマングリッドの錯覚が存在します。これは黒い正方形を並べると、正方形同士の角の間にドットが見えるという現象。しかし、ドットではなく光線が現れる錯視は、これまでに報告されていないとのことです。


「他の錯視と同様に、Scintillating Starburstは認知と視覚に関する将来的な研究の刺激となる可能性があります」とKarlovich氏は述べました。

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in サイエンス, Posted by logq_fa

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