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Amazonは取引先に会社の株式を割安で売るように要求しているとの報道

by hehaden

Amazonが取引先に対し、大口契約の条件として株式を割安な価格で購入する権利を要求していると、複数のメディアが報じました。メディアの取材を受けたAmazonの元幹部は、相手方が拒否できないのを承知の上で行った不公平な契約だと証言しています。

Amazon’s new price of doing business—the right to buy ownership stakes in vendors | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2021/06/amazons-new-price-of-doing-business-the-right-to-buy-ownership-stakes-in-vendors/

Amazon Sees Suppliers As Targets For Ownership | PYMNTS.com
https://www.pymnts.com/amazon-commerce/2021/amazon-sees-suppliers-as-prime-targets-for-ownership-stakes/

IT系ニュースサイトのArs Technicaが2021年6月30日に、「Amazonがベンダーやサプライヤーと契約を締結する条件として、ワラントの提供を求めていることが分かりました」と報じました。

ワラントとは、株式を一定額で購入する権利のこと。ワラントを保有しておくと、株価が値上がりした後でも所定の価格で株式を購入できるので、ワラントを設定した株価と実際の株価の差額を利益として得ることが可能です。


2020年に、AmazonはAmazonフレッシュのために食品会社のSpartanNashと契約し、同社の株の2.5%に相当するワラントと、条件付きでさらに12.5%分の株を追加で受け取ることができる権利を得ました。その後、Amazonとの取引が公表されたことで、SpartanNashの株価は1日で26%も値上がりしています。

SpartanNashの事例のように、「自社との提携関係を発表することで株価が値上がりするのを見越して、契約を結ぼうとしている企業の株価をあらかじめ割安で確保する」というのがAmazonがワラント契約を結ぶ理由ではないかと、Ars Technicaは指摘しました。


この商慣習は10年以上続いているものですが、Amazonのワラント保有額は過去3年間で5倍に増加するなど、近年は積極的にワラントを取引先から求めるようになっていることが、Amazonの決算報告により判明しています。

Amazonは、こうしたワラントを少なくとも12の上場企業から取得しており、ワラントを求められた民間企業は過去10年で75社に及ぶとのこと。また、相手先となる企業も、コールセンターサービスを提供している企業からガス会社まで多岐にわたっており、中にはワラントの行使によりAmazonが筆頭株主になるようなケースもあります。


Amazonは、「契約書の文面が『契約を獲得するためには、ワラントを差し出さなくてはならない』とほのめかすようなものにならないよう注意しています」と述べています。一方、Amazonと航空機のリース契約を締結したAtlas Airの幹部は、「ワラントを引き渡すと同意しなければ契約できないという印象を受けました」と話しました。

また、ワラントの取引に携わったことがある複数人のAmazonの元幹部は「相手企業は拒否できる立場ではなく、ほとんどのうまみをAmazonが持って行ってしまうような、不公平で一方的な取引だと感じました」と証言しています。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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