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無料で文章やコードを校正できる「textlint」にブラウザ拡張機能「textlint editor」が登場したので使ってみた


論文やマニュアルを書く場合の表記揺れや誤字脱字、読みにくいため好ましくないとされる表現などを検知して、文章全体の質を上げるための校正ツール「textlint」が、2021年5月27日にバージョン12へのアップデートをリリースしました。合わせて、textlintを任意のウェブサイトで動かせるFirefoxとChromeのブラウザ拡張をベータリリースしたことも告知されています。

textlint v12.0.0 · textlint
https://textlint.github.io/blog/2021/05/24/textlint-12.html

textlint 12リリース、ブラウザで動くtextlint editorをベータリリース | Web Scratch
https://efcl.info/2021/05/27/textlint-12-editor/

textlintとは、azu氏が制作したテキスト向けのLintツールで、技術文書や指南書・論文などで「推奨される書き方」「避けるべき表現」「発生しやすい誤記」とされる部分について、自動的に検知して間違っている部分を指摘してくれるもの。azuさんはこれを、「あなたはIMEほど記憶能力が高くないが、IMEはあなたほど賢くない。なので二つで作った文章には綻びが生じやすい。それをtextlintやRedPenなどの第三者が見つける。」と述べています。


2021年05月27日にリリースした「textlint 12」では、Markdownプラグインのアップデートと各パッケージのバージョン統一が行われています。Markdownやコードブロックの中のコードをテキストとしてスペルチェックしてしまうと、英単語・英語表現として誤りがあると赤線だらけになってしまうため、textlintはMarkdownの中はチェックしないなどチェックする対象を判断する機能が実装されています。textlint 12ではこのMarkdownプラグインが大きく変更されているとのこと。

また、textlintはエディタなどと連携させてテキスト内の校正を行うツールですが、利用方法がよりシンプルで使いやすいブラウザ拡張「textlint editor」もリリースされました。azu氏が公開したスライドによると、文章校正ツールは「Grammarly」のブラウザ拡張が便利だったものの、Grammarlyでは入力した文字がサーバに送られて機械学習を行うため、機密を重視したい場合には向かないと考えたとのこと。そこで、プライバシーを優先かつオフラインでも動作するJavaScriptによる拡張機能を作ることを目的としています。

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By Ciaran Dunsdon

Google Chromeにインストールするには、まずウェブストアからtextlint editorにアクセスし、「Chromeに追加」をクリック。


ポップアップが表示されたら「拡張機能を追加」をクリック


以下の画像のように表示されたらインストール完了。


textlintは、アドオンをインストールした後に、校正のルールをJavaScriptで追加することで、そのルールに沿ったチェックや修正提案を行ってくれます。GitHubではいくつかのスクリプトが例として提供されています。今回は、技術的な文書を書く際の指南に倣った指摘をしてくれる「ja-technical-writing」を利用すべく、ここにアクセス。「Install」をクリックすることで、スクリプトを拡張機能にインストールすることができます。


実際にGoogleフォームでテキストを入力してみました。追加された拡張機能のアイコンをクリックすると、「textlint-rule-preset-ja-technical-writing」と表示され、ちゃんとスクリプトが追加されていることがわかります。


この状態でフォームにテキストを入力したところ、textlintによる校正が自動的に行われました。入力するエリアによってはうまくtextlintが機能しなかったり、チェックのために多少動作が重くなったりすることはありますが、校正してほしい内容をカスタマイズしてセットできるため、執筆する文章や入力するウェブサイトの種類や目的に応じた校正を行うことができます。


誤字や句読点の漏れのほか、「することができる」といった冗長な表現を避けるべきなどのテキスト修正を赤の点線で示し、カーソルを合わせると間違いの内容を表示してくれます。指示に従って修正を行うか、あえて行った表現なので指摘を無視するかを選択できます。


またChrome拡張だけでなくFirefoxアドオンも存在します。Firefoxの場合、アドオンのページからtextlint editorにアクセスし、「Firefoxへ追加」をクリック。


許可を求めるポップアップで「追加」をクリック。


「OK」をクリックしてインストール完了です。


textlint editorはベータ版のため、GitHubの@textlint/editorにバグレポートなどを受け付けているとのことです。

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in レビュー,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1e_dh

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