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「仮想通貨は犯罪の温床」という言説は正しいのか?プライバシー特化型仮想通貨「Monero」の場合


ビットコインなどの暗号資産は匿名性の高さや送金の容易さから、「犯罪組織の違法な資金繰りに利用されている」と指摘されることもあります。中でも比較的匿名性の高い暗号資産である「Monero」が犯罪の温床になっているという意見に対して、暗号資産関連のウェブサイトCryptoSlateが「事実とは異なる」として反論を展開しています。

FT says cybercriminals prefer Monero (XMR) to Bitcoin, but here's what it didn't get right
https://cryptoslate.com/ft-says-cybercriminals-prefer-monero-xmr-to-bitcoin-but-heres-what-it-didnt-get-right/


2020年8月には暗号資産を通して44億円規模のマネーロンダリングを行った犯罪組織が摘発されました。その後2021年1月にはアメリカの財務長官であるジャネット・イエレン氏が「暗号資産の多くが、主に違法な資金繰りで使われている」と発言。さらに2021年5月にはアメリ最大の石油パイプライン運営企業・Colonial Pipelineランサムウェア攻撃を受け、4億円超えの身代金をビットコインで支払ったことが話題になるなど、暗号資産と犯罪組織の関係が大きく注目されています。

「仮想通貨の多くが犯罪組織に使われている」とアメリカ財務長官候補が発言、しかし「事実は異なる」という指摘も - GIGAZINE


そんな中、取引の内容の追跡が困難であることを特徴とする暗号資産・Moneroについて「Moneroは送信者・受信者・交換された金額などの情報を隠すように設計されている」「Moneroの高い匿名性は法執行機関による追跡を困難にしている」として、Moneroが犯罪の温床になっていると主張する記事が2021年6月22日に公開されました。

Monero emerges as crypto of choice for cybercriminals | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2021/06/monero-emerges-as-crypto-of-choice-for-cybercriminals/


この意見に対して、CryptoSlateは「プライバシーに特化していることと犯罪行為を結びつけるのは、『現金所持者は全員麻薬取引に関わっている』と言っているのと同じくらい非合理的です」と、反論を展開。さらに2020年1月に時価総額10位にランクインしていたMoneroが記事作成時点では時価総額26位に転落していることを挙げ、「Moneroの人気が低迷している事実は、犯罪組織がMoneroに傾倒しているとする意見と矛盾しています」と主張しています。


また、CryptoSlateは「世界中の違法な取引のほとんどは暗号資産ではない通常の通貨で行われている」とする研究結果の存在も指摘し、Moneroと犯罪組織の関連性の低さを強調しています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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