ハードウェア

コウモリの音がどこから聞こえてくるのかが分かる装置が開発される


超音波を発して周囲の状況を把握しながら飛び回ることで知られるコウモリですが、その超音波は人間には聞くことができません。そんなコウモリの超音波を人間が聞けるように変換し、さらに超音波がどの方向から聞こえてくるのかが分かる装置を、アールト大学のヴィル・プルキ氏らが開発しました。

Superhuman spatial hearing technology for ultrasonic frequencies | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-021-90829-9

Anyone can get super-hearing | Aalto University
https://www.aalto.fi/en/news/anyone-can-get-super-hearing

プルキ氏が開発した装置は以下のようなもの。薄緑色の球状の部分には超音波を拾うことができる高感度のマイクが6つ内蔵されており、マイクで拾った音声は有線でつながれたコンピューターで即座に人間の可聴周波数にピッチシフトされ、ヘッドフォンで再生されるとのこと。


コンピューターではピッチシフトに加えて音が発せられた方向の分析も行われているとのことで、コウモリの居場所がどこなのかがはっきりと分かるようになっているとプルキ氏は述べています。以下の動画をヘッドフォンを介して視聴すると、コウモリの発する超音波を聞くことができます。

Ultrasonic spatial super-hearing demos - YouTube


プルキ氏によると、左方向に動いている白い点がおそらくコウモリとのこと。


コウモリの超音波を聞くことができる装置は今までにも存在したものの、音がどこから聞こえてくるのかは分からないものだったとのこと。プルキ氏は「現在はピッチシフトをコンピューターで実行していますが、将来的にはヘッドフォンに装着した電子機器で実行できるかもしれません」「このデバイスを使えば、ガスパイプの漏れなどの通常の聴覚では検出できない超音波をも特定することができます」と述べています。

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in ハードウェア,   生き物,   動画, Posted by log1p_kr

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