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「仮想通貨1万ドル以上の送金の報告を義務化する」とアメリカ財務省が発表


アメリカの財務省が2021年5月20日に、「1万ドル(約108万円)以上の暗号資産の送金を内国歳入庁(IRS)に報告することを義務化する」と発表しました。金融当局はこの規制強化について、暗号資産を使った脱税や違法な資金の流通を阻止する狙いがあると説明しています。

The-American-Families-Plan-Tax-Compliance-Agenda.pdf
(PDFファイル)https://home.treasury.gov/system/files/136/The-American-Families-Plan-Tax-Compliance-Agenda.pdf

U.S. Treasury calls for stricter cryptocurrency compliance with IRS
https://www.cnbc.com/2021/05/20/us-treasury-calls-for-stricter-cryptocurrency-compliance-with-irs.html

アメリカの財務省は5月20日に、近年における暗号資産の動向を取りまとめたレポートを発表しました。報告の中で財務省は、「暗号資産は、脱税を含む広範な違法行為を助長することで、すでに重大な問題を引き起こしています」と指摘。暗号資産の保有や取引、決済を受け入れるサービスを対象とした金融口座報告制度を創設し、そこに時価1万ドル以上の暗号資産を受領した企業に対する報告義務を盛り込むとの方針を打ち出しました。


財務省の試算によると、2019年における「支払われるべき税金と実際に支払われた税金の差額」は合計約6000億ドル(約65兆3010億円)と見積もられており、このまま対処しなければ今後10年間で7兆ドル(約761兆7260億円)に膨れあがる危険性があるとのこと。こうした事態の是正のため、財務省は規制が進んでいない暗号資産の分野に踏み込む姿勢を強めています。

ジョー・バイデン政権で財務長官を務めるジャネット・イエレン氏は以前、「暗号資産の多くが犯罪組織に使われている」と発言したことがあるほか、実際に「サイバー犯罪者は2020年だけで少なくとも367億円の暗号資産を稼いだ」との報告もあります。一方、違法な暗号資産の取引は全体からみれば少額なことなどから、締め付けを強化する方針に対して「近視眼的」と批判する声も上がっています。

暗号資産取引所のCEOが暗号資産の取り締まりを警戒、アメリカは「近視眼的」との発言も - GIGAZINE


アメリカの金融サービス会社・Raymond Jamesのアナリストであるエド・ミルズ氏は、「証券取引委員会(SEC)のトップに、暗号資産の専門家であるゲイリー・ゲンスラー氏が据えられていることから、連邦議会が規制当局に広範な管轄権を与えるのは時間の問題だと予想されていました。この規制強化は、短期的にはリスクにつながるおそれがありますが、中長期的には暗号資産の正当性を補強する役割を果たす可能性があります」と述べて、必ずしも暗号資産市場にマイナスの効果をもたらすものではないとの見方を示しました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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