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イーサリアムの考案者が総額1000億円以上の「ミームコイン」を新型コロナ救済基金などに寄付、パニック売りも発生


暗号資産「イーサリアム(ETH)」の考案者として知られるヴィタリック・ブテリン氏が、取引時点で総額1000億円以上の「ミームコイン」を寄付したことが明らかになりました。暗号資産の分野で影響力のあるブテリン氏が一気に大量のコインを手放したことにより、複数のミームコインではパニック売りが発生して価格が急落しているとのことです。

Ethereum Creator, Vitalik Buterin, Donates Over $1B to India COVID Relief - The Street Crypto: Bitcoin and cryptocurrency news, advice, analysis and more
https://www.thestreet.com/crypto/ethereum/vitalik-buterin-gives-1-billion-to-india-covid-relief-after-memecoin-selloff

Vitalik Buterin donates more than $60M to charity after selling meme tokens including Shiba Inu
https://www.theblockcrypto.com/post/104676/vitalik-buterin-donates-more-than-60m-to-charity-after-selling-meme-tokens-including-shiba-inu

インターネット発のミームを基にして作成されたミームコインは、単なるジョークとしての性質を含んでいるものの、実際に暗号資産として取引されています。2021年には柴犬の写真を基にしたネットミーム「Doge(ドージ)」から生まれた「ドージコイン」の価格が急騰し、2021年4月第2週には時価総額4兆6000円を超えました。

ネットミーム発の暗号資産「ドージコイン」の時価総額が約4兆6000億円超え、わずか4日で約6倍の高騰 - GIGAZINE

by Aranami

ドージコインの成功に触発された多くの新興ミームコインもリリースされており、ドージコインのシンボルでもあるシバイヌの名前をそのまま使った「SHIBA INU(SHIB)」、ドージコインに言及するマスク氏をもじった「Dogelon Mars(ELON)」、秋田犬を名前に利用した「Akita Inu(AKITA)」などが続々と登場しています。

しかし、ミームコインは価格の値動きが非常に激しいことで知られており、ドージコインの価格もテスラのイーロン・マスクCEOがTwitterで言及するだけで大幅に変動しています。そんな「暗号資産としての信頼性が低い」という問題を解決する方法として、開発者たちは暗号資産コミュニティでの影響力が強い人物に対し、勝手にミームコインを送りつけているとのこと。

開発者たちはミームコインを有名人のパブリックアドレスに送りつけることで、「この人物が大量のコインを保有している」と主張することができます。2021年5月10日には、ブテリン氏の下に総額数千億ドルを超えるSHIBやAKITA、ELONなどが送りつけられていることが報じられています。

Vitalik Buterin’s Ethereum wallet holds $8 billion in Shiba Inu coin (SHIB)
https://cryptoslate.com/vitalik-buterins-ethereum-wallet-holds-8-billion-in-shiba-inu-coin-shib/


ミームコインの開発者らはブテリン氏が大量のコインを保有し続けることを狙っていたはずですが、ブテリン氏は世界各地の慈善団体やプロジェクトなどに、イーサリアムを含めた大量のコインを寄付していることがわかっています。

ブテリン氏は1万3292ETH(取引時点で5400万ドル/約59億円相当)をアメリカの非営利慈善団体・GiveWellに寄付したほか、1000ETHと4300億ELON(取引時点で総額3億3600万ドル/約370億円相当)を長寿の研究を行う非営利団体・メトセラ財団に譲渡しました。また、1050ETH(取引時点で420万ドル/約4億6000万円相当)をAIの健全な利用を研究するMachine Intelligence Research Instituteに、500ETHと50兆SHIB(取引時点で11億4000万ドル/約1250億円相当)をインドの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策基金であるIndia Covid-Crypto Relief Fundに、イーサリアムに焦点を当てた助成プログラムGitcoinに49兆AKITA(取引時点で4億4300万ドル/約480億円相当)を寄付しています。なお、ミームコインは非常に価格の変動が激しく通貨としての流動性が低いため、すぐに換金することは難しいとのこと。

India Covid-Crypto Relief Fundの創設者であるSandeep Nailwal氏は、Twitterでブテリン氏の寄付に感謝を表明した上で、団体が責任を持ってSHIBを取り扱って価格の急激な低下を抑えると述べました。

Thanks @VitalikButerin

One thing we have learnt from Ethereum and @VitalikButerin is importance of community

We will not do anything which hurts any community specially the retail community involved with $SHIB

We will act responsibly!

Plz dont worry $SHIB holders. https://t.co/M4GxTR0JAn

— Sandeep - Polygon(prev Matic Network) (@sandeepnailwal)


ブテリン氏は単にミームコインを寄付しただけでしたが、ただ「ブテリン氏がコインを手放した」という事実だけでパニック売りが起きているとのこと。暗号資産の値動きを公開するCoinmarketcapによると、ブテリン氏の寄付に伴ってSHIBは38%以上、ELONは70%以上、AKITAは50%以上の暴落が発生したそうで、これらのミームコインを持っていた人々は大打撃を受けたことになります。

一方、ブテリン氏が大量のミームコインを寄付した背景には、イーサリアムのプラットフォームを守る目的があったのではないかと推測する人もいます。SHIBをはじめとする多くのミームコインは、トークンの作成と投資家への発行にイーサリアムブロックチェーンを利用しており、ミームコインの需要増加によってプラットフォームの利用が拡大することで、イーサリアムの取引手数料が押し上げられていると指摘されています。この問題を解決するため、ブテリン氏は慈善団体に寄付を行うと同時にミームコインの暴落を引き起こし、誇大広告されたミームコインの流動性を取り除いたとする見方もあるとのことです。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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