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ASUSのZenfoneシリーズ最新機種「Zenfone 8」海外レビューまとめ、「Android版iPhone 12 mini」の得た評価とは?


現地時間2021年5月13日、台湾のスマートフォン大手ASUSがZenfoneシリーズ最新機種となる「Zenfone 8」を発表しました。この公式発表に先んじて海外のIT系ニュースサイトにZenfone 8の先行貸し出しが行われていたようで、情報解禁に合わせて「Zenfone 8を実際に使ってみた」という旨のレビューが多数登場しています。

ZenFone 8 | Big on Performance. Compact in Size. | ASUS Global
https://www.asus.com/event/ZenFone8/

新たに登場した「Zenfone 8」は、横幅68.5mmで5.9型ディスプレイという大型化の傾向がみられるフラグシップ機としては小型の「ZenFone 8」と、カメラ部分を180度回転させてリア用高性能カメラをインカメラとしても使用できるフリップカメラ機構を搭載した「Zenfone 8 Flip」という2モデルのラインアップ。Zenfone 8では、68.5mm×148mm×8.9mm&169gというコンパクトな筐体に現行最上位機種の「Snapdragon 888 5G」と16GBのメモリが詰め込まれています。

カメラは全てソニー製で、メインカメラは6400万画素の「IMX686」、超広角は4cmのマクロ撮影が可能な1200万画素の「IMX363」、インカメラは1200万画素の「IMX663」という構成。そのほか、ディスプレイは120HzのSamsung製AMOLEDで、2mの耐落下性能を誇る「Gorilla Glass Victus」を採用し、HDR10+と112%のDCI-P3色域をサポート。IP68の防水防塵に対応し、4000mAhのバッテリーが搭載されています。今回の発表でZenfone 8の価格は599ユーロ(約7万9000円)と明かされましたが、日本価格については不明。

The Infinitely Powerful Zenfone 8: Official Launch Film | ASUS - YouTube


そんなZenfone 8について、確認しただけでも10社以上のIT系メディアがレビュー記事を報じています。ITを中心に多角的なジャンルの記事を報じるThe Vergeは「性能について問題は一切ない」と高評価。応答性の高さや5.9インチというディスプレイサイズが手にフィットし、ポケット内で収まりが良いと褒めました。

Asus ZenFone 8 review - The Verge
https://www.theverge.com/22431051/asus-zenfone-8-review

反面、カメラについてはデフォルトの設定では色彩調整などがやや不自然な点や望遠レンズが備わっていない点などを指摘し、「good but not great(良いけれども凄くはない)」と一言。Zenfone 8がライバルを自認するiPhone 12 miniとの比較については、大きさやスペック、防水防塵性能、カメラ構成などが似通っていることから「Android版iPhone 12 mini」と評しつつも、iPhone 12 miniの売れ行きはシリーズ最悪という点に触れて小型スマートフォンの売れ行きの悪さを指摘。同じく小型に入るZenfone 8の苦戦を予想し、さらに「カメラ性能やバッテリーの持ちを求めるなら他を当たるべき」と締めくくりました。


Laptop MagAndroid PoliceAndroid Authorityなどのモバイル系ニュースサイトも「使い心地やスペックは良好だが、カメラとバッテリーに難アリ」という論調で共通しています。使い心地については、IP68の防水防塵性能を達成した点やディスプレイにGorilla Glass Victusを採用した点、68.5mm×148mm×8.9mmというサイズに加えて湾曲した背面が非常に持ちやすい点はいずれのサイトでも褒めあげられています。さらにASUSが独自に提供するインターフェイス「ZenUI 8」ではディスプレイのアクティブ部分を下側にスライドして片手操作をしやすくする「片手モード」が搭載されており、この片手モードも「使いやすい」という評に一役買っています。そのほか、最近のスマートフォンにおいては排されがちな3.5mmのイヤホンジャックも完備している点や画面内指紋認証も好評でした。


スペックについてはASUSはゲーミングスマートフォン「ROG Phone」シリーズを提供しているだけあって、「PUBG Mobile」などのスペックを要求するゲームもサクサク動くと高評価。現行最速プロセッサの「Snapdragon 888 5G」を搭載しているだけあり、「Samsung Galaxy S21」や「Xiaomi Mi 11 Ultra」などの他社製フラッグシップ機に負けないベンチマークをたたき出したと報じられました。

一方、各社がこぞって不満を述べたのが、カメラとバッテリーの2点。カメラについては通常使用ならば十分とされながらも、「デジタルズームしかない上に、デジタルズームも4倍以上では崩壊する」(Laptop Mag)、「超広角で接写以外を撮影するとものすごくゆがむ」(Laptop Mag、以下の画像)、「ダイナミックレンジの両端で彩度が低くなる傾向があり、HDRも最適ではない」(Android Police)、「ホワイトバランスにたまにミスがみられる上、色補正などによるインパクトでSamusung Galaxy S21などの競合製品に劣る」(Android Authority)、「暗い場所ではザラザラした質感で、コントラスト不足」(Android Authority)と、アラを指摘されまくるという結果に。


バッテリーについては、Laptop Magの実験ではディスプレイを120Hzに設定すると「平均9時間59分の持ち」とのことで、各社は「本体サイズにしては大容量のバッテリーを備えており、電池の持ちも通常使用ならば丸1日使える」としつつも、常時オンディスプレイに設定するとバッテリー寿命に大きな影響が見られた点などを問題視しました。

いずれにせよ各社は、ライバルと位置づけられるiPhone mini 12の対抗馬と言えるものの「明らかに上」とは言えないという論調であり、Android市場の覇権を握ることもないだろうと評を下しつつも、「Androidの現行機種の中では最強の一角」という見解を示しました。

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in モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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