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キッチンオーブン程度の温度でプラスチックを燃料に変える技術が開発される


毎年大量に排出されるプラスチックごみの環境汚染問題が問題視されていますが、人類はいまだプラスチックへの依存から抜け出せずにいます。このため、少しでもプラスチックごみを減らす技術開発が進んでおり、新たに「プラスチックごみを効率的に液体燃料に変えることができる技術」が発表されました。

Plastic waste to fuels by hydrocracking at mild conditions | Science Advances
https://advances.sciencemag.org/content/7/17/eabf8283

Combating plastics waste | UDaily
https://www.udel.edu/udaily/2021/april/center-plastics-innovation-solutions-single-use-plastic-waste/

Plastics Can Be Broken Down Into Fuel, And We Just Found a Great Method For It
https://www.sciencealert.com/scientists-create-a-better-way-to-break-down-plastics-into-fuel

国連のデータによると、これまでに地球上で発生したプラスチック廃棄物のうち、リサイクルされたものはわずか9%で、焼却されたものは12%、そして処理されずに地球上に残り続けているものは79%にも上っています。このようなプラスチックの処理問題を解決するためにはさまざまな研究が行われており、その1つがプラスチックの原料であるポリオレフィンを燃料に変える方法です。

そんな中、デラウェア大学の研究チームが新たに発表した論文の中で、「特にリサイクルが困難である」とされているポリオレフィンをディーゼル燃料、ジェット燃料、ガソリン系炭化水素などの液体燃料に変える方法について記しました。


これまでも「プラスチックを燃料に変える」という技術は研究されてきましたが、このような技術には「コストを抑える」「リソースを抑える」という点に課題が伴いました。

この点、新しい研究は、必要とする処理温度が一般家庭のオーブン程度で済むため同様の技術に比べてエネルギーリソースが50%少なく済み、エネルギーに変換する過程で温室効果ガスである二酸化炭素を余分に空気中に排出することもありません。

研究チームはゼオライトと呼ばれる鉱物と混合金属酸化物からなる触媒を使用した「水素化分解」と呼ばれる化学プロセスを用いてプラスチックの炭化結合を分解。混合金属酸化物は大きな分子を分解するために用いられ、ゼオライトは分岐分子の形成を促進する役目を担います。これら2つの触媒は単体ではうまく機能させることができませんが、合わせて使うことでプラスチックをエネルギーに変える事ができると研究者は述べています。また、2つの触媒は入手しやすいものであることも、実用化へのメリットとして考えられています。


加えて、記事作成時点で販売されているプラスチックの多くはさまざまな種類の材料をブレンドしていますが、上記の方法の場合、ブレンドされた複数のプラスチックを分離する必要もないそうです。

もちろん、このような技術は、プラスチック問題を根本的に解決するわけではありません。プラスチック廃棄物の問題を解決するには、石油を使ったプラスチックの製造そのものから離れる必要があります。これは研究者も認めるところで、チームは今後、製品製造の新たな方法を模索していくとしています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by logq_fa

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