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元海軍大将が指摘する「座礁事件が発生したスエズ運河以外にも心配すべき航路」とは?


2021年3月23日にスエズ運河でコンテナ船「エバー・ギブン」が座礁し、その後6日間に渡って船舶の往来を遮断する事故が発生しました。アメリカ海軍大将やNATOの司令官を歴任したジェイムズ・スタブリディス氏は、「世界には、スエズ運河以外にも心配すべき航路があります」と述べ、世界の航路の状況について自身の経験を踏まえながら解説しています。

Why the Suez Canal Blockage Should Worry Us About the Future | Time
https://time.com/5950791/suez-canal-ship-blockage-trade/

◆マラッカ海峡
インドネシアとマレーシアの間に位置する「マラッカ海峡」では、多くの海賊が活動しています。さらに、スタブリディス氏によると、マラッカ海峡を航行する船舶は、狭い海路を非常に速いスピードで進行する傾向にあるとのこと。スタブリディス氏は「全ての航路の中で、マラッカ海峡が一番嫌いでした。マラッカ海峡を通過する際は、一晩中起きている必要があったのです」と述べ、マラッカ海峡では「交通量の多さ」が海賊以上のリスクであると指摘しています。


◆ホルムズ海峡
ソマリアでは海賊が活発に活動していることが知られていますが、スタブリディス氏は「ソマリア沖の海賊は、軍艦に対して積極的に攻撃を仕掛けることはありません。しかし、イランの南に位置するホルムズ海峡で活動する海賊は軍艦に対しても積極的に攻撃を仕掛けてきます。そのため、ホルムズ海峡を通過する際は、全員が戦闘態勢で臨む必要があります」と述べ、軍艦すらも脅かす海賊の脅威を強調しています。


◆パナマ運河
スタブリディス氏は「パナマ運河は十分に整備されており、リラックスした状態で通過できます。私たちは、パナマ運河を通過する際にバーベキューを楽しむこともありました」と、パナマ運河の安全性を語っています。一方で、「パナマ運河はスエズ運河と同様に、軍艦や商船で混雑しています。そのため、スエズ運河と同様の事故が発生する可能性があります」と指摘しています。


スタブリディス氏は「2021年3月にはスエズ運河で重大な事故が発生しましたが、他の海域でも、大規模な事故が発生する可能性があります。スエズ運河での座礁事故を教訓に、危機に備える訓練や演習を実施する必要があります」と主張しています。

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in 乗り物, Posted by log1o_hf

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