Googleが開発した日常的な音を自由に並べてビートを刻めるウェブアプリ「The Infinite Drum Machine」を使ってみた

AIに関する研究を行うGoogle Creative Labのメンバーが作成したウェブアプリ「The Infinite Drum Machine」では、「グラスがぶつかる音」や「人間のクシャミ」といった日常的な音を使って、ドラムパターンを作成できます。実際に「The Infinite Drum Machine」を使って、手軽にビートを刻んでみました。

The Infinite Drum Machine
https://experiments.withgoogle.com/ai/drum-machine/view/

「The Infinite Drum Machine」のトップページから、「START PLAYING」をクリックしてドラムパターン作成画面を開きます。

ドラムパターン作成画面はこんな感じ。上部には無数の点と4つの円が表示されており、下部にはドラムパターンの編集エリアが配置されています。

4つの円を動かしてみると、円の中心に位置する点に登録された音が流れます。今回は、「ビールケース(CASE BEER)」の音が流れました。

「The Infinite Drum Machine」では、無数に表示された点それぞれに異なる音が割り当てられており、4つの円を移動させることでドラムパターンに用いる音を選択できます。割り当てられている音の中には、「鉛筆削り(PENCIL SHARPENER)」の音や……

「人間のせき(HUMAN COUGH)」といった日常の中にあふれる音が多く含まれています。

ドラムパターン編集エリアでは、表示されている点をクリックすることで音のオン・オフの切り替えが可能。直感的な操作で4種類の音を用いたドラムパターンを作成できます。

また、ドラム編集エリアの右側には、音をランダムに選択するボタンと、ドラムパターンのテンポを変更するボタンが配置されています。

以下のムービーでは、実際に「The Infinite Drum Machine」でさまざまな音を用いたドラムパターンを作成している様子を確認できます。

日常的な音でリズムを刻める「The Infinite Drum Machine」で遊んでみた - YouTube


また、「The Infinite Drum Machine」の作成過程を解説するムービーが、開発チームによって公開されています。

A.I. Experiments: The Infinite Drum Machine - YouTube


開発チームによると、「The Infinite Drum Machine」は「音と音の類似度」をAIに認識させる研究の過程で生み出されたとのこと。

開発チームは、ラベル付けを行っていない1000種類以上の音を用意し、AIに「音を整理する方法」を学習させました。

この学習には、類似度を可視化するアルゴリズムである「t-SNE」が用いられたとのこと。

学習の結果、AIは類似している音同士を近くに並べた多面体を出力しました。

開発チームは、この多面体を平面に変換し、「誰でも遊べるように『The Infinite Drum Machine』として公開した」とのことです。ムービーで「The Infinite Drum Machine」の製作経緯を知ってから再び遊んでみると、画面上に配置された無数の音は色ごとに種類が大別されており、例えば青色ゾーンにはガラスや金属などの無機物から鳴る高音が多く集まっていたり、緑色ゾーンには人や動物の出す音が集まっていたりと、類似する音が近くに配置されていることがわかります。