サイエンス

治療法の無い致死性の病「クロイツフェルト・ヤコブ病」に似た未知の病気が確認される、死亡した例も


2021年3月17日、カナダ放送協会が「カナダのニューブランズウィック州で、治療法が見つかっていない致死性の神経変性疾患クロイツフェルト・ヤコブ病』に似た症状を示す未知の病気の症例が少なくとも42件確認された」と報じました。

Une maladie inconnue frappe le Nouveau-Brunswick | Radio-Canada.ca
https://ici.radio-canada.ca/nouvelle/1777805/maladie-inconnue-nouveau-brunswick

New Brunswick monitoring more than 40 cases of unknown neurological disease | CBC News
https://www.cbc.ca/news/canada/new-brunswick/mad-cow-disease-public-health-1.5953478


カナダ放送協会が入手した医療機関の内部情報によると、起源不明の神経変性疾患の症例が42件確認され、ニューブランズウィック州の医学会と医師協会に報告されたとのこと。最初の症例は2015年に確認され、2019年には11件、2020年にはさらに24件、最終的には42件が確認されており、5人が既に死亡しています。

この病気は睡眠障害や運動障害、筋肉と脳の大幅な萎縮といった症状がみられるそうで、プリオン病の一種であるクロイツフェルト・ヤコブ病や、同じくプリオン病の一種であり、牛海綿状脳症(BSE)と同じ病原体が原因とされる「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」とよく似たものだとのこと。


この病気は記事作成時点でニューブランズウィック州のアケイディアン半島モンクトンといった特定の地域でのみ確認されていますが、明確な病気の原因は分かっていません。ニューブランズウィック州の医療機関であるDr. Georges-L.-Dumont University Hospital Centreの神経内科医・Alier Marrero氏らの研究によると、この病気は遺伝的なものでなく、水や食物、空気から感染した可能性があるとのこと。Marrero氏は「プリオン病の症状を示してはいるが、プリオン病だと判断できるだけの証拠は見つかっていない」と話し、早急な判断を控えています。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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