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空気清浄機トップ5の空気清浄度を実際にテストした結果はコレ、適切に空気清浄機を選ぶ方法とは?


優れた空気清浄機は空気中のウイルスを取り除きますが、効果を発揮させるには、空気洗浄機の選び方が重要です。多くのブランドが多岐に渡る空気清浄機を開発していますが、人気ブランドの製品は必ずしも空気清浄力に優れているわけではないということが、実際のテストで示されています。

Is an $800 purifier best to clean your home's air? Marketplace tested 5 top brands and their claims | CBC News
https://www.cbc.ca/news/business/portable-air-purifier-tests-marketplace-1.5900782

カナダのトロント大学で工学教授を務めるジェフリー・シーゲル氏は、空気清浄機の販売市場を「マーケティング・ジャングル」と呼んでいます。そんなシーゲル氏が、カナダのテレビ番組・CBCマーケットプレイスと協力し、人気ブランドの空気清浄機がどれほど高パフォーマンスなのかをテストしました。

テスト対象となったのはLevoit LV-H132Germ Guardian AC5350BDyson Pure Hot + CoolBlueAir Blue Pure 211Honeywell HPA 160という計5ブランドの製品。カナダでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を受けて空気清浄機の売上げが伸びており、上記5ブランドの製品は、空気清浄機の中でも人気を集めているとのこと。


またシーゲル氏は、人気ブランドの製品と一緒に、ファンとフィルターを使って作成したDIY空気清浄機についても同様にテストを行いました。空気清浄機のフィルターの多くは花粉、カビ、バクテリア、ほこり、浮遊粒子の少なくとも99.97パーセントを除去するHEPAフィルターを搭載していますが、DIY空気清浄機にはより安価なMERV-11フィルターが使用され、材料費は全部で70カナダドル(約5700円)だったとのこと。

CBCマーケットプレイスはテストに際し、5ブランドの空気清浄機15台を購入。シーゲル氏と協力し、24平方メートルの部屋の中で線香をたき、クリーンエア供給率(CADR)と呼ばれる空気清浄力を調べました。CADRは空気清浄機が花粉・煙・ほこりなどを空気中から除去するまでにかかる時間を測定するもので、通常、立方フィート/分や立方メートル/時で表されます。

実際に6台の空気清浄機をテストした結果が以下の図で、縦軸が立方メートル/時で示されるCADRで、横軸にはそれぞれの空気清浄機が並んでおり、数値が高いほど空気清浄力が優れているということを示します。約560立方メートル/時のBlueAir Blue Pure 211が群を抜いて成績がよく、他はDIY空気清浄機と大差ないという結果になりました。


約5700円のDIY空気清浄機は約160立方メートル/時ですが、5万円のDyson Pure Hot + Coolは約140立方メートル/時と、それよりも成績が低いという結果に。シーゲル氏は中小規模の部屋であっても200立方メートル/時以上の空気清浄力を持った空気清浄機を推奨していますが、Dyson Pure Hot + Coolはこの値も下回ります。

テスト結果を受け取ったダイソンのエンジニアであるデビット・ヒル氏は、CADRは空気清浄機の効果を測定するための1つの指標にすぎないと説明。ダイソンはCADRと異なる独自の「(PDFファイル)POLARテスト」を開発しており、POLARテストでは「空気清浄機の知能」「部屋の空気が汚れているのかきれいなのかを検知して自動的に反応する能力」「部屋のきれいな空気を循環させる能力」を測定します。CADRも空気清浄な重要な部分ではあるものの、空気の汚染を検知して取り除く能力も重要だとヒル氏は述べました。

一方で「CADRは国際的に認められたベンチマークであり、最も重要な測定基準だ」というのが専門家の意見。「高性能なフィルターと少ない空気流量を兼ね備えた空気清浄機はCADRが低くなり、フィルターの効率性が低くても空気流量が多くなればCADRは高くなります」と室内空気の研究者であるフランシス・オファーマン氏は述べました。

このように、CADRが低くても高価な空気清浄機が存在するのは、空気清浄機能以外の機能が付随するためだとみられています。例えばDyson Pure Hot + Coolにはヒーター機能がついており、ここに大きなコストが発生するとのこと。また約1万4000円のGerm Guardian AC5350Bは「細菌を殺す」というUV-Cライトがついています。


ただしUVライトの専門家であるジェームズ・マーレイ氏は、Germ Guardian AC5350BのUV線量とUV-Cパワーを分析した結果、「空気中の細菌量を大幅に減少させるには十分ではない」と結論付けています。マーレイ氏は、市場には優れたUV-C製品がある一方で、でたらめな主張をしている企業が存在することを警告しました。

上記を踏まえ、空気清浄機を選ぶ際のポイントとして以下の4つが挙げられています。

・まず、ウェブサイトで公開されているCADRの値をチェックする。
・シーゲル氏によると、中小規模の部屋に適したCADRは200~300立方メートル/時とのこと。
・企業によってはメートル法ではなく帝国単位でCADRを公開しているため、その場合はここで単位を変換する。
・CADRに基づき部屋のサイズに合った空気清浄機を選ぶ。

またシーゲル氏を含む専門家は、呼吸器系に危険を及ぼす可能性があるオゾンを排出するイオン発生器・プラズマ空気清浄機を避けるべきだと述べています。加えて光触媒酸化(PCO)はホルムアルデヒドアセトアルデヒド、二酸化窒素、一酸化窒素を生成することについてもCBCマーケットプレイスは注意を促しています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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