サイエンス

高解像度な衛星画像を安価に提供するサービス「Albedo」が始動


独自に開発した人工衛星によって既存の衛星画像よりも高解像度の衛星画像を提供するサービス「Albedo」が登場し、2024年からのサービス開始が予告されています。

Albedo
https://www.albedo.space/

Launch HN: Albedo (YC W21) – Highest resolution satellite imagery | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=25989085

衛星画像は測定可能な範囲を示す分解能でその解像度が決まり、数値が低いほど解像度が高いものとされています。既存の衛星画像の中で最も解像度が高いものであってもその解像度は30cmほどだったのですが、Albedoは解像度10cmというはるかに高精細な衛星画像を提供します。

Albedoの設立者であるTopher Haddad氏は、Albedoが提供する予定の解像度10cmの衛星画像と、記事作成時点で入手できる最も高解像度な30cmの衛星画像を比較したイメージを自身のTwitterに投稿して、Albedoが提供する衛星画像の鮮明さをアピールしています。

@albedo_space is LIVE - first 200 followers get a free picture of their wedding from space! ????

We are building satellites that will capture imagery at a resolution 9x higher than the best available today.

How it is How it will be pic.twitter.com/UxWBgXf2GS

— Topher Haddad (@silicon_chris)


また、Albedoの人工衛星は解像度の高い温度センサーも搭載する予定とのこと。


高解像度の衛星画像と温度センサーを利用することができるため、Albedoを用いて山火事の監視を行うことも可能です。

Vegetation management around power lines is becoming increasingly important for wildfire prevention. 10cm imagery + thermal will vastly increase model accuracy for companies like @overstoryai and @LiveEO_space who use imagery and AI to automate this crucial task. pic.twitter.com/noO1lNXdY5

— Albedo (@albedo_space)


また、Haddad氏はコミュニティサイトHacker NewsでAlbedoの設立に至った経緯を解説しており、「従来の衛星画像販売サービスでは、衛星画像の購入までに営業担当との長い取引が必要だったり、購入してからデータが手に入るまで時間がかかったり、一度に購入できる衛星画像の最低購入面積が決まっていたりと、衛星画像購入の障壁となる要素が多くありました。Albedoはこれらの問題の解決に取り組んでいます」と語っています。

Albedoの価格設定はこんな感じ。年間100万平方km以上の衛星画像を購入することで選択できる「Believer」プランでは、1平方km当たり2ドル(約210円)で衛星画像を購入できます。


Hacker Newsに投稿された「Albedoの衛星画像はどんな用途を想定していますか?」という質問に対して、Haddad氏は「GPSが『ポケモンGO』や『Uber』といったサービスで使われることを想定していなかったように、Albedoは特定の用途を想定したサービスではありません。しかし、これまでにない高解像度の衛星画像は、農業・地図作成・環境保護といったさまざまな用途に利用されることになると考えています」と語っています。

なお、Albedoが開発中の人工衛星は2024年に打ち上げられる予定とのことです。

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in ハードウェア,   サイエンス, Posted by log1o_hf

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