GoogleのVRお絵かきソフト「Tilt Brush」がオープンソース化される

Googleがゲーム配信プラットフォームのSteam上でリリースしている「Tilt Brush」は、Oculus Rift・Windows MRヘッドセット・Valve Index・PlayStation VR・Oculus Questなど、主要なVRデバイスでプレイできるVRお絵かきソフトです。2021年1月26日、GoogleはTilt Brushの継続的な開発をストップし、オープンソース化することを発表しました。

GitHub - googlevr/tilt-brush
https://github.com/googlevr/tilt-brush

The Future of Tilt Brush | Google Open Source Blog
https://opensource.googleblog.com/2021/01/the-future-of-tilt-brush.html

Google’s Tilt Brush is getting the axe, but it will live on as an open-source project - The Verge
https://www.theverge.com/2021/1/26/22250915/tilt-brush-google-open-source-ending-development-vr-painting

Tilt BrushがどのようなVRお絵かきソフトになっているのかは、以下のムービーを見るとよくわかります。

Tilt Brush: Painting from a new perspective - YouTube


VRヘッドセットを装着した女性が……

コントローラーを使って空間に光の線を描きました。

Tilt Brushは平面だけでなく、VR空間上に立体的な絵を描くことができるVRソフトです。

さまざまなエフェクトを付けることもでき……

自分が脳裏に描いた世界をVR空間に作り出すことが可能です。

Googleは2015年にTilt Brushの開発企業であるSkillman ＆ Hackettを買収し、2016年4月にTilt BrushをSteamでリリースしました。Tilt Brushの開発はGoogleに買収された後も継続され、マルチプレイヤーサポートやTilt Brushで描画したコンテンツをアニメーションで使用するためのオープンソースツールキットなど、さまざまな機能が追加されてきました。

そして2021年1月26日のブログ記事で、GoogleはTilt Brushをオープンソース化すると発表。GitHub上でTilt Brushのコードにアクセスできるようになりましたが、Googleは「積極的に開発されている製品ではなく、プルリクエストは受付けておりません」と述べており、すでにTilt Brushのプロジェクトは廃止されていることが明らかとなっています。

GoogleはさまざまなVRプロジェクトに着手している一方で、多くのプロジェクトを廃止しています。2019年にはVRヘッドセット「Daydream View」の販売を終了したほか、2020年には3Dコンテンツプラットフォーム「Poly」や教育向けVRツアーアプリ「Expeditions」が終了することが発表されました。

テクノロジー系メディアのThe Vergeは、Googleや親会社のAlphabetが大きなプロジェクトを終了させることは珍しくないと指摘し、成層圏気球でインターネットを提供するプロジェクト「Loon」の終了にも触れています。しかし、Tilt Brushは完全に廃止されたのではなくオープンソース化されたため、Tilt Brushのユーザーにとっては意義のある妥協点だと述べました。