サイエンス

磁気特性を変更可能な新たなメタマテリアルが登場


メタマテリアルとは、光や電磁波に対し自然界にない働きをするように構造化された人工材料のことで、研究者たちが望んだ特性と形状を実現するために作成されています。ほとんど研究が進んでいないメタマテリアルですが、今回その磁気特性を再構築できる新たなメタマテリアルを開発したとスイス連邦工科大学ローザンヌ校fleXLabが発表しました。

New metamaterial offers reprogrammable properties - EPFL
https://actu.epfl.ch/news/new-metamaterial-offers-reprogrammable-properties/

New metamaterial merges magnetic memory and physical changes | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2021/01/new-metamaterial-merges-magnetic-memory-and-physical-changes/

メタマテリアルは物質ごとに単独の特性を持っており、その剛性や強度などの物理的特性を変更するためには新たに作り直す必要がありました。しかしfleXLaboの博士研究員であるティアン・チェン氏は「新たなメタマテリアルは磁気特性が変更可能である」と主張しています。

チェン氏らが開発したメタマテリアルは4本の脚で支えられた箱のような形をしており、磁性粒子が埋め込まれたシリコンでできているとのこと。外部から磁力を加えることで変形し、その上下に配置された磁気デバイスごとに異なる形状をとることも可能。個々のセルに磁場がかかることでHDDのような働きをとることもできるといいます。


チェン氏らはこのメタマテリアルの磁気状態を読み取った結果、形状を変化させることで最大5倍の異なる磁気特性を示すことが明らかになったとのこと。チェン氏は「今まで限られた性質しか実現できなかったメタマテリアルが、1つの材料であらゆる物理的特性を再現できるようになることを期待している」と語っています。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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