サイエンス

人間の好奇心には二つの種類があることが判明


好奇心は人間関係や学習などのさまざまな物事に影響を及ぼしますが、目に見えるものではないため研究するのは簡単なことではありません。そんな好奇心の謎を解き明かすため、ペンシルベニア大学やアメリカン大学研究者たちが膨大な情報量と閲覧数を誇るオンライン百科事典「ウィキペディア」を使った調査を行いました。

Hunters, busybodies and the knowledge network building associated with deprivation curiosity | Nature Human Behaviour
https://www.nature.com/articles/s41562-020-00985-7

Studying ‘Hunters and Busybodies,’ Penn and American University Researchers Measure Different Types of Curiosity | Penn Engineering Blog
https://blog.seas.upenn.edu/studying-hunters-and-busybodies-penn-and-american-university-researchers-measure-different-types-of-curiosity/

Research Finds There's More Than One Type of Curiosity. Which Do You Have?
https://www.sciencealert.com/there-s-more-than-one-type-of-curiosity-which-do-you-have

研究者たちは149人の実験参加者に、21日間にわたって1日15分ウィキペディアを閲覧するように指示し、参加者たちが訪れたページ数とページごとの滞在時間を測定しました。研究者たちは「グラフ理論」と呼ばれる数学的手法を用いてグラフ化した結果、人の好奇心は「Busybody」と「Hunter」の2つのタイプに分類できることがわかりました。Busybodyはより多様な情報を追い求める移り気なタイプで、Hunterは一つの情報について深い知識を追い求める探究心旺盛なタイプです。研究チームのダニエル・バセット准教授によると、今回の調査にウィキペディアが用いられたのは、ウィキペディアでは内向的な人と外向的な人の両方が好奇心を思う存分発揮する機会を得ることができるためとのこと。


さらに実験前に行ったアンケートの結果を分析したところ、知識を求める理由として「知識のギャップを埋めたい」と答えた参加者はHunterに「斬新な知識が欲しい」と答えた参加者はBusybodyになりやすい傾向がみられました。また、参加者はBusybodyとHunterのどちらかに常に固定されているわけではなく、閲覧中にBusybodyとHunterが切り替わることもあることもわかりました。

研究者たちによると、この調査によって得られたものは「数値化された好奇心」ではなく、「好奇心がどのように現れるか」で、教育や精神医学の面で役立つとのこと。研究チームのデビッド・ステイリー氏は「学校でこの情報を使用する方法を見つけるにはより多くのデータが必要ですが、人間は好奇心旺盛な人と好奇心のない人に分けられるという間違った認識が改善されることを願っています」とコメントしました。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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