メモ

EUの閣僚が児童性的虐待規制案から警察官・軍人・諜報員に加えEU閣僚である自分自身を除外するよう要請


報道機関によりリークされたEU児童性的虐待規制案の最新草案に、情報機関、警察、軍職員、そしてEU閣僚の職業用アカウントをスキャン対象から除外したいというEU閣僚らの考えが記されていることがわかりました。

#ChatControl: EU ministers want to exempt themselves | European Pirate Party
https://european-pirateparty.eu/chatcontrol-eu-ministers-want-to-exempt-themselves/


EUの閣僚らはオンラインでの児童性的虐待を防止するための計画を進めていて、プロバイダーに対し、サービス上で児童への性的虐待に関するコンテンツを検出、報告、削除することを義務付けた草案をまとめて議論しています。

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具体的には、SNSやメッセージングアプリなどのプロバイダーが、公的機関の要請に応じてユーザーのプライベートなメッセージをスキャンすることなどが義務づけられます。ところが、これにはプライバシー保護を重視する人々から強い批判が浴びせられています。

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ところが、2024年にリークされた草案には、こうした批判をよそに一部の行政職員やEUの閣僚が用いる職業用アカウントをチャットやメッセージのスキャン対象から除外する案が記載されていることがわかりました。また、職業上の秘密などの「機密情報」についても、同計画の規制は適用されるべきではないとの考えが記されているそうです。

海賊党のパトリック・ブレイヤー議員は、「EUの閣僚たちが警察官や軍隊、そして自分たちさえもスキャンの対象から外そうとしているということは、彼らが私たち市民に解き放とうとしている盗聴アルゴリズムがいかに信頼性に欠け、危険なものであるかを把握しているのを証明するものです」と痛烈に批判。自分たちでさえ受け入れられないものを全市民に適用するのは間違っていると話しました。

ブレイヤー議員は、「政府の通信の秘密は確かに重要ですし、それは虐待の被害者自身が安全な交流や治療のために必要としているスペースや、その他市民の通信にも同じことが適用されなければならないのです。EUの閣僚たち自身が、私たちに押し付けているデジタル・プライバシーの破壊の結果を被りたくないというのは言語道断です」と述べています。


EU各国政府は、6月初旬までに本法案を採択したいとの考えです。

ソーシャルサイトのHacker Newsでは、今回の事例に対して「このような恐ろしい法律をなくす最善の方法は、それを書いた人たちに対しても執行することだと思います。公平に、平等に施行するのです。もし閣僚たちが自分の個人的な通信が見知らぬ人に読まれることを心配し、恐怖や侵害の心を感じるのであれば、そうさせてあげればいいのです」との指摘が上がっています。加えて、「法律とは、反対する者も賛成する者も、皆同じように支配するものだ。悪法や不愉快な法律を廃止させるのに、その厳格な執行ほど効果的な方法を私は知らない」というユリシーズ・グラントの引用も投稿されました。

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in Posted by log1p_kr

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